会長の “夏だから。。。”

夏山2013 2


8月9日(金) 夜 
仕事を終えてからの出発となった。私がこうして40年近く 山登りを続けられたのはS君(同僚)の存在が大きい。彼とは30年来の登山仲間である。加えて今回は我妻も同行である。これには紆余曲折があったが、この過程を書くと夫婦ケンカの種になるので割愛しておく。

 さて、南アルプスは初めてなので山の名前・地名など馴染みがない。お目当ての北岳登山口は山梨県甲府市から車で2時間に位置する“広河原(ひろがわら)”である。
(写真は北岳山荘から見た北岳3,193m)
19時に出発して23時には最初の目的地である芦安温泉(あしやす)に到着した。マイカー規制で車を駐車場に止め、広河原へは公共バス(又は乗合タクシー)で行くことになる。(因みに、上高地は沢渡(さわんど)がこれに相当する)
 駐車場には空きがあったので、車1台分のスペースを確保して持参のテントで寝た。 “ごろっ。。”と横になるだけでも翌日の疲れが全然違う。私は、何処でも寝れる登山向きの人間だが、妻とS君は難しいようで
“アンタは良いよね。何処でも寝れるし、人の迷惑も知らずイビキはかけるし。。。”


と皮肉を言われるが、その私が今回に限って殆ど眠れなかった。理由は
1) 深夜の駐車場に車が次々に入ってきたこと。
2) 3時過ぎに管理人が来て“4時にはテントを片付けてください”と忠告を受けたこと。
深夜を過ぎれば車もこないだろうとタカを括っていたが、これはヒンシュクものだった。


8月10日(土)
4時前にはテントを片付け朝食とした。昨晩 東浦のイオンで買った安売りサンドイッチである。5時始発のバスに乗る予定だったが満員となり5時30分まで待つことになった。何時・どこからこれだけの登山者がきたものだとビックリした。山梨県は東京圏なので人も多いのだろうか。因みに以下のサービスもあるらしい。
 “新宿を22時に出発して深夜1時に到着後 5時まで指定旅館で仮眠できるバス”

やっぱり東京は便利だ。これなら疲れもたまらない。とにかく、“どれだけ寝たか”が疲れ・筋肉痛に影響し、歩く時間・そして事故に繋がる。それでも、岳人は旅館に泊まってゆっくりしない。金を節約して登山回数を増やし、時間を節約して山の上で過ごす時間を増やす。
平たく言えば“山が好き”なのだ。
 さて行ってみると、広河原には案内所が1件あるだけで観光客は見当たらない。良くも悪くも“自然そのもの”である。


 結局、あれよあれよと時間が過ぎ、6時の登山開始が7時30分となってしまった。この遅れが、その後の旅程を狂わすことになる。
(写真は広河原にて 中央の山が北岳

続く