会長の”次男の大学受験”                                                                あとがき 2

続 あれから

 


譲れないこと(自動車の保有
 三重大学は海に面し夏は海水浴場となっている。のどか(田舎)と言えば聞こえが良いが、カッコよく遊ぼうと思うと車が必需品となる。帰省した時に車の話になった。
 (次男) 三重大は田舎なので自動車がないと何もできない。
 (私)  そうだろうな。自転車で我慢するしかないわな。
 (次男) やだよ、カッコ悪いし。。。車が欲しい。バイトでガソリン代と駐車代は払うし。
 (私)  お前なぁ。車は見えないところで金が掛かるんだぞ。
 (次男) 何が?
 (私)  21歳未満だと保険代が25000円/月掛かる。車検が2年で10万。自動車保険が毎年4万。事故でも起こしたら大変だぞ。

    〜私の説明には耳を貸さず自己主張を続けた。〜
 (次男) 新しい車に替えたら、今のプリウス俺に譲ってくれん?
 (私)  駄目だ!。大学生に車の維持はできん。勉強よりもバイトがメインになる。
 (次男) えぇ。。
 (私)  家に帰って来た時に父さんのプリウスを貸してやるから、それにしろ。
 (次男)  それじゃ、遊べんし。
 (私)   しょうがない。あれもこれもはできん。

車に関して、長女は就職してから通勤用で購入した。長男は現在大学3年生だが、自転車で我慢している。次男だけ許すわけにはいかない。
譲れない相談である。


 一方、運転免許に関して言えば、長女は宮崎県・長男は鳥取県にある合宿スタイルの車校で取得した。これは安いうえに旅行も兼ねているので結構楽しいと言っていた。次男も最初は九州が良いと話していたが,早く取りたいために下宿から徒歩500mの車校に入学した。大学推薦なので多少安いし、より早く入校できる。要するに早く運転免許が欲しいのだ。もちろん免許取得費用は出してやった。変な理屈かもしれないが、これは親の義務だと思っている。(社会人になってからだと時間が取れない。)
〜写真は宮崎県:青島・鳥取県砂丘


 

そんなこんなで普通の大学生となった。たまに帰ってくると、ちょっと辛口トーク(小言)を言ってやる。
 (私)   ところでお前、英語がペラペラになりたいと言ってたが、どうなってんだ。
 (次男)  え? まぁ
 (私)   えーじゃないぞ。やる気はあるのか。
 (次男)  “やる気だけはある。”と言っておくわ。
 (私)   なんだ、それ。
     ・・・
 (妻)   あんた、自炊すると言うから道具買ってあげたけど、ちゃんとやってんの?
 (次男)  色々と忙しくて。。
 (妻)   何が忙しい!  どうせ、サークルとバイトが忙しいだけでしょ!
 (次男)  そうだけど。。。うるさいなぁ。そのうちやるから。
     ・・・・
 (私)    米は早く使わないと、カビが湧くぞ。
 (次男)  わかったー。

親から見れば、子供はいつまでたっても子供であるし、まして末っ子だから心配である。
次男が普通の大学生なら、我々も普通の親かもしれない。


夏目漱石の小説「こころ」に、次ぎの言葉がある。
“人間に、良い人間と悪い人間がいるのではない。みんな普通の人だ。その普通の人がある時、良い人になったり悪い人になったりする。”

                            続く