会長の”ロシアの魅力” 最終回                                                   その7:モスクワ  後

“ロシアの魅力”と題して連載してきましたが、今回が最終回です。

ソ連共産主義の残り
 バスの車窓から外を眺めていると、一目でソ連時代とわかる建物がある。その多くは住民の住むアパートで、統一された地味で殺伐とした風景だ。1917の2月革命〜‘91年のソ連崩壊まで、ロシアは共産主義という道を歩み、俗にいう東西対立を生んだ。朝鮮戦争・核開発競争・オリンピックへの政治加入。。。我々の時代、世界ニュースの多くは“対立”を軸とするものだった。しかし、、、あれだけ世界をリードしていた(少なくとも映った)大国が、あっけなく終焉を迎え自由主義という新しい道を進みだした。
500年後の世界史教科書には、どのように記載されるのだろうか。


街は活気に溢れているが。。。
 写真は、若者が集まる場所アルバート通りである。マクドナルド・ケンタッキー・スタバ・ハードロックカフェ。。。世界の何処にでもあるチェーン店がここにはある。元気一杯である。しかし、工業製品は殆ど輸入品でロシア製はない。皮製品を買おうと思っていたがガッカリした。今のロシアは石油・天然ガス等の資源を輸出して外貨を稼ぐという発展途上国みたいな貿易構造である。唯一“らしい”といえば人形が何個も詰まっている“マトリョーシカ”である。土産店はもとより、空港・観光地のいたる所で売っている。“女性”の形が一般的だが、最近は“歴代大統領”・“動物”などもある。値段は数千円から3万円超の高額品からまでいろいろある。因みに、私は“女性”形を1万円で買った。写真がそれで、この中に全部で10個の人形が詰まっている。元旦茶話会に持っていこうかな。


交通渋滞が激しい
 モスクワの渋滞は深刻であった。写真は平日14時の市内であるが毎日この状態だという。産業がモスクワに集中しているのが原因らしいが、元を正せば1991年のソ連崩壊後、急速に自由主義化したツケが回ってきたのだろう。このまま放置しておけば、住民・企業が郊外に移ってしまい街が廃墟となってしまうかもしれない。

日本は江戸から明治に移行する際、国策の成功により近代国家に生まれ変ることができた。
昔の人は下記を残している。

「国家1年の計は作物を植え、10年の計は樹木を植え、100 年の計は人心を育てよ」


美しい国
 いろいろ書いてきたが、第一印象は「ロシアは美しい国」である。都市には歴史ある建物も多く残り、街並みもまた美しい。写真はモスクワの地下鉄であるが、センスの良いデザインだ。
これからの若者が自分の国を誇りと思えるような国策を施してもらいたい。そうでないと、石油と天然ガスを輸出するEUの属国になってしまう。できれば、10年後もう一度訪れてみたい。そんな気持ちを抱かせてくれる旅行であった。


*ロシア国歌「祖国は我らのために」
スケールの大きさを感じると共に、大地と歴史の重みが伝わってくる。興味のある人は下記から聞いてください。
http://www.youtube.com/watch?v=9Syxi0g50Oc


                                   完

次回から新ネタ“勤続30年を振返って”を連載します。