(長坂) Because it's there

先日 ある人の講演から聞いた話を紹介する。


 今から100年前 世界は”3つの極”の征服に国を挙げて挑んでいた。極とは南極・北極・そしてエベレストである。
1)南極は1910年 ノルウェイアムンゼンが到着した。
2)北極は1926年、アメリカのリチャード・バードが飛行機で往復飛行に成功した。

3)残りのエベレストの登頂に向け 時の大英帝国は国の威信を掛けて挑んだ。その役を担ったのは、登山家ジョージ・マロリーであった。彼は2度挑戦したが、あと一歩のところで断念した。そして3度目の登山において頂上付近で遭難した(1924)。結局 1933年イギリス貴族ハミルトン公爵が飛行機で頂上を飛び越え空撮に成功したとある。

さて、登山家ジョージ・マロリーは生前ニューヨーク・タイムズの質問、「(苦しいトレーニングをし命を掛けて)なぜあなたはエベレストに登りたいのですか(Why did you want to climb Mount Everest?)」に対して「Because it's there.」と答えているが、日本人はこれを”そこに山があるから”と訳してしまった。
 本当は山でなくエベレストであり、その奥には夢とか威信とか責任があるからと訳すのが正しいという話であった。

私も山登りをするので、”そこに山があるから”という言葉は以前から知っていたし、的を得た表現だと思っていたが、事実は若干違っていたようだ。


現役諸君へ
もうすぐ高専大会がやってきます。頑張っていますか? 目指していますか? あなたの”Because it's there"のthereは何ですか?