(長坂) 京都 2016  〜お寺の話  “金銀苔石”〜

京都は古い街であり、また古くあることが期待される街である。
 
 ”京都・古い”と来れば、やはり“お寺”だろう。京都の話題を書く以上“お寺”を避けては語れない。しかし、個々のお寺を説明すると時間がいくらあっても足りないし面白くない。そこで、先日京都に行ったとき偶然みつけた「京都ぎらい」という本の中で、私が同感した“お寺”の部分を第1話としたい。


 写真は、世界遺産の一つ西芳寺(サイホウジ) 通称“苔寺(こけでら)を拝観した時のものである。お寺(京都)の拝観料は500円/人が相場だが、ここは3,000円とべらぼうに高く、しかも事前予約であった。さすがに高いだけあり”苔“の美しさに目を見張った。寺側の説明によると、

「1977年からは一般の拝観を中止し、往復はがきによる事前申し込み制となりました。また拝観に際しては、写経などの宗教行事に参加する事が条件となっています。※写経をした後に庭園の見学という流れになります。拝観料は1人3,000円と京都のお寺拝観としてはちょっとお高く感じますが、これは住職さんの説法・般若心経の唱和・写経を行い、写経に願い事を書いたものを、祈りを込めて本尊に永久奉納していただけることから、祈祷料やお布施の意味合いが込められているのです。」
となるが、写経・説法込みで3,000円なら、無しで1,000円を望みたい!?。


さて、冒頭の“金銀苔石”の意味は金閣寺銀閣寺・苔寺龍安寺(15個の石がある枯山水庭園)の略で人気ベスト4?の寺らしい。
〜写真は龍安寺(石の意味は調べてください)〜

現在、出版社が雑誌に京都の寺院の写真を載せると1枚につき3万円を寺に払うのが相場だが、この4寺は1枚20万円という。これに不服を言えば撮影お断りだから、メディアもモメゴトを起こしたくないために支払っているのだ。しかも、我々が寺で納める賽銭と同じで税金がかからない。(言い方が悪いが、坊主・お寺丸儲け?)
「お寺は観光化している」


当然のことながら「お坊さんが観光客の対応」をしている。もっともお寺に行く我々(私)も、お経も唱えず仏像に目もくれず、“世界遺産”とか“雑誌の特集”が動機だから仕方ない。

上記本によれば、お坊さんが袈裟(お経を唱えるときの制服)を着てキャバクラに行くと言う。これには残念というか腹が立った。修業に加え観光客の面倒もみるのだから、身も心も辛いのはわからなくもないが、せめて袈裟じゃなくてお坊さんと分からない格好でこっそり息抜きしてほしい。


今の私が寺に興味をもつ理由は、“庭が綺麗であること“ 庭を眺めて俗界から少しの間、癒されたい。次に仏像(本尊)に手を合わせて願い事をすること、願い事が沢山の時、あるいは無理なお願いの場合は、賽銭を弾んでオスガリする。金で解決しようという邪道な考えである。やはり、京都観光で金がかさむのが拝観料と駐車場代である。多くは一泊2日だが、幸いにして長男がアパート暮らしをしているので、宿泊は常設した寝袋で心置きなく滞在できるというメリットがある。ただ、このメリットも予定では残り1年となった。

最近わかったことだが、10万人当りのお寺の数は愛知県がNo.1で、京都は5位だとか。。。


プラス1 また訪れたい寺  醍醐寺三宝院)
写真左の長方形の石が、世に名高い「天下の名石」 藤戸石(ふじと いし)である。歴代の武将に引き継がれ最後は豊臣秀吉のものとなり、「醍醐の花見」を記念したモニュメントとなっている。

私は、この庭を眺めるのが好きである。既に3度行ったが、癒されるというか美しいというか、いつまででも眺めていたい不思議な場所である。