(長坂) 登山2015 その11

無事に頂上に辿り着いたが、下りの20分も難所で気が抜けない。幸いにも下りに強い私は何のプレッシャーも感じることは無かったが、妻は恐怖心で一杯だったようだ。

先に降りて妻を待つ訳だが、
(妻)私が滑って落ちたら助けてね。。
(私)俺は体がキャシャなので、支えれるかな?
(妻)ちょっと。。怖いわ。。
(私) ・・・


登りでは静だった妻が、下りは足よりも口が先にでるようになった。人間は“人と話をすることで恐怖や悩みが和らぐ“というが本当のようだ。妻は喋った後、リラックスできた感じが伝わってくる。


何とか難所を抜け、辿り着いたのは宝剣山荘。ここで400円のコーヒを飲み、気持ちも新たに木曽駒を目指す。見晴しも良く、ハイキングコースのようなルートである。
(妻) うわぁ。。風が気持ちいいね。
(私) そうだな。

振返ると,1時間前に登ってきた宝剣岳の雄姿が見える。頂上を凝視すると、人が動いているのが分かる。
(私)山頂の人って、はっきり見えるもんだな。
(妻)本当ね。


おそらく宝剣岳に登ってない人には分からないであろう。すれ違う人や、一緒に登る人に対して、
“我々は宝剣岳を縦走してきたんだ。アンタたちとは違うんだ”

なぜだか分からないが、そんな優越感を味わいながら木曽駒を目指した。

続く