(長坂) 登山2015 その9

稜線を歩くのは“一部の危険箇所を除いて”実に楽しい。下界の雑踏はない。携帯電話も車の音も、、、そして気温35度越えの酷暑も、ここでは30℃以下で湿気もない。風が下から吹き上がってくる。

(妻) いいね。。この空気、この眺め。
(私) ・・・・
妻は御機嫌であるが、私はそれどころではなかった。


 “こんな所で喜んでる場合じゃないんだぞ。。
“分かってるのか。これから始まる危険地帯を。。”


極楽平を後にして15分、いよいよ難所が見えて来た。
“げっ。。あれ登るの?”

私はぞっとした。
〜写真は宝剣岳南側ルート。中央の小さな黒点?がクサリを持ちながら登る登山者。〜


“しまった。来るんじゃなかった。”
いっそ宝剣岳を諦めて一旦千畳敷駅まで戻り、整備されたルートから木曽駒を登りたい。正直、腰が引けた。

別のパーティから同じ会話が聞こえてくる。
“あれ登るの? 嘘でしょう!”
“ここから頂上までの1時間、ずっとあんな感じだよ。。”


「騙して連れてくるから、罰が当たるんだ」
自分の中に動揺がある。しかし妻は平然としている。“やる気満々である”

女は強い!


続く