会長の”次男の大学受験”                                                                第3章  出陣11

三重大学 2

 さて三重大の試験が終わり当面は勉強から解放された。勿論 浪人となれば1年勉強するわけだが、今はそんなことを考えはしない。
 合格発表は3月8日(金) 10時であるが、合格した場合すぐに下宿探しをしないといけない。長男の時は事前に休みの申請をしたが、三重(津市)は近いので合格した場合は翌日早朝に家を出るつもりだった。そこで、下見と称して三重大の見学・ドライブを兼ねて1週間前に現地・現物確認に出かけた。


 3月3日(日)
大学生協と、“お部屋探しはミニミニで。。。”のコマーシャルで有名なミニミニの2件の情報を基に出かけた。

私としては初めての三重大だった。まず最初に感じたのは、
① “田舎だなぁ”すぐ前は海で海水浴場となっている。
② “地震による津波が来たら大学は壊滅だ。” 海抜ゼロメートルじゃ逃げ場がない。下宿する部屋は高い階でないといけない。
(写真は三重大学の航空写真 海と隣接している)

まずは、生協が紹介している物件を何件かあたってみた。いずれも大学から歩いて500m以内の便利な場所であるが、私の頭には“津波からどうやって逃げるか”しかなく、いずれも心配だった。さらに、経験から言って通学生が泊まったりマージャン部屋になったりと、まるで溜まり場になってしまうのも考え物だった。次男は、イメージが湧かないようだった。 “合格したら。。。”の話だから無理もない。

次に、ミニミニを尋ねた。店舗は津駅から100m。
(私)    実は来週が大学の合格発表なんですが、今日は事前確認で来た。
(店員)  大学とは三重大ですか。
(次男)  えぇまぁ。
(店員)  三重大の人には、たとえ不合格になってもキャンセル料はいただきません。
      もし、本日 気に入った部屋があれば契約してください。
(私)   本当ですか。そりゃ助かる。実は、合格した翌朝 車を飛ばしてくる予定でした。
(店員)  そうでしたか、条件の良い部屋は時間勝負ですよ。今がベストです。さすがに、予約している学生さんはほとんどいません。

〜今日来たことは正解だったと思った。〜

(私)  じゃ、希望は下記です。
① 自転車通学可能
② 部屋は2階以上(これは津波対応)
③ 家賃は3万5千円/月 程度

 さすがは商売である。すぐに3件の物件を部屋の中まで案内してくれた。


1件目は大学近辺であったが、次男も私も
“うーん、今イチだなぁ。。”でNG,
次に、海から離れた静かなアパートの2階が2件目。私は気に入ったが、本人に言わせれば
“確かに静かだけど、これなら一軒目と変わらない。遠いだけ” でNG.

そして3件目 部屋が広くて 目の前に出来たばかりのスーパーがある。
(次男)  ここ良いですね。とても広いし、今までで一番いい。
(店員)  便利ですよ。
(次男)  今まで気が付かなかったが、大学に近い所は逆にスーパーなどの買い物が面倒だ。ここなら便利だ。
(店員)  1Fには空き部屋があります。今日決めてくれるなら、38,000円(+共同費2,000円)は会社と掛け合いますよ。
(次男)  35,000円なら ここにする。ねぇ お父さんはどう思う?
(私)   ・・・(急に振るなと思ったが)・・ 父さんも、ここから便利だし津波の心配も少しは減るし。。だけど、1階はダメだぞ。2階以上なら夏も網戸でOKだ。
(次男)  えー、俺は何階でも良いよ。早く入りたい。
(私)   駄目だ!
私が待ったを掛けた。
(店員)  分かりました。会社に確認してみます。
     ・・・・・(かなり長い時間電話していた。)

(店員)  金額は全部込みの35,000円でOKです。しかし、部屋は今すぐ入れません。3Fで4月10日以降なら空きが出ますが。。
(私)  4月10日以降にしろ。1週間くらい、どってことない。ホテルに泊まって通ってもいいじゃないか。
(次男)  えー。
(店員)  私もお父さんの考えが正解だと思います。
(次男)  ・・・分かったわ。。そうするわ。
〜結局、入学後1週間は家からの2時間掛けての通学となった。〜



(店員)  ところで、三重大は合格しそうですか。
(次男)  えぇ、たぶん。

このあと、店員は次男に聞こえないように私に言った。
(店員)  凄いですね。私がお世話した学生の中で、これほどはっきりいう学生はみたことがありません。
(私)  そうですか。大丈夫かな?

こうして、思いもやらずアパート探しが決まったことで気が楽になり、後は合格を待つだけとなった。
 


3月8日(金)
いよいよ待ちに待った合格発表の日。
10時過ぎに次男から電話があった。

(次男)  父さん 受かったよ。
(私)   そうか。良かったな。
(次男)  うん。
(私)   これで念願の一人暮らしができるな。
(次男)  そうだね。やったよ。
(写真は 三重大学格通知書)



こうして、終わってみれば予定通りの合格話だった。しかし、第1章の中学生の成績 2章の高校3年の春以前から考えれば夢のような話である。

                    第3章 終わり

これで第3章は終了ですが、”あとがき”(書き足りなかったこと、等)を、次回から
記載します。



プラス1  三重大学合格者の点数
 表は、三重大学から公開された機械工学科合格者の点数である。全く残念であるが、次男の2次の点数については不明である。

配点 最高点 最低点 平均点 次男
センター試験 550 439 331 384 376
2次試験 400 330 213 274 ???
合計 950 750 625 659

これにもドラマ?があった。長男の時は、請求しないのに大学から通知があったが、三重大の場合は希望者のみの通知である。しかも〜6月28日(金)となっていたが、この事実を知ったのが何と7月1日(月)。“そこを何とか・・”と、いつもの調子で大学側と掛け合ったが時すでに遅しであった。きっと神様が、“これ以上 個人情報を公開するな”と止めたのだろう。


プラス2  合格者の声
 予備校には、毎年合格者の声と題して難関大学をメインに記載されている。結構、良いことが書いてあるので紹介します(河合塾より)。要約すると下記だと思う。
 1)苦しい時の乗り切り方。(ライバルからの刺激・チューターへの相談・仲間との会話)
 2)自分の実力と目標大学のレベルを冷静に判断すること。
 3)“合格するんだ”という思いが、どれだけ強いか。


 名大 法   Hさん
私は一人では勉強できないタイプなので、自習室を利用できたことが良かったです。周りを見るとみんなが頑張っていたので私もやらなくては・・・と励みになりました。その中に仲の良い子が何人もいたので休憩時間に一緒に息抜きでき、自分の中で気持ちを切り換える習慣をつけられました。またラウンジで互いに教え合いながら勉強することで一緒に頑張るんだって気持ちをもつことができました。受験は団体戦という言葉を実感しました。
(写真は 名大 豊田講堂)


 東大 理Ⅰ  Kさん
現役時の敗因を分析し、基礎が弱かったことに注目して、どの教科も基礎からの建て直しをめざして受験勉強を始めました。河合塾は基礎シリーズで基礎、秋からの完成シリーズで応用をおさえられるようになっており、安心して勉強をすすめることができました。いつでも質問に行ける講師室、フェロー制度が充実していてとにかく安定した勉強ができると思います。(写真は 東大 安田講堂


 京大 医  Tさん
高2の冬に一念発起し、京都大学医学部医学科を目指す決意をしたが、その時の私は到底及ぶ学力を持っていなかった。しかし河合塾の講師に相談し、その指導のもと、他教科の講師も紹介して頂き、最高の環境で学ぶことができた。京大英語の担当講師にも英作文の添削をして頂き、モチベーションを維持できた。現役合格を勝ち取ることができたのは、最後までとことんじっくりと付き合ってくださった講師のおかげであり、感謝し尽くせないのである。(写真は 京都大学 吉田講堂)