会長の”次男の大学受験”                                                                第3章  出陣10

三重大学 1

 いよいよ第一志望である三重大の受験がやってきた。前述したが、三重大の特徴はセンター試験のウェイトがと2次試験よりも高いため(550点:400点)、次男としては、合否ランクAをゲットできたのだ。まして、後期の富山大学は2次試験なしのランクA。(写真は三重大学 講堂)
次男の心理状態を推測するに、
 “万が一 2次試験で失敗して三重大に落ちても富山大は受かる。念願の一人暮らしはできる。”
“もっと上(京大?)を目指す気持ちになれば、富山大を蹴って河合塾に行くこともできる。”
つまり選択肢が増えたことである。全てはセンター試験の出来!


2月25日(月)
 三重大学 2次試験の日となった。あとから聞いた話だが、緊張はなかったらしい。因みに緊張して眠れなかったと言った日は
  ・2日間のセンター試験
  ・三重大合格発表の前日

人間が緊張するのは、“ガチンコ勝負”の時かもしれない。
“受かるワケない(勝てない)”・“どうでも良い”・“失敗しても何とかなる” こんな時は緊張しないのだ。

 受験会場へは近鉄“江戸橋”から徒歩15分である。開始時間の1時間前到着のため家を6時過ぎに出た。
私も緊張も期待?もしていなかった。ただ、気がかりなことが2つあった。
① 今日時点で私立大学の合格が1つもない。
② 浪人するにしても、大学生になるにしても英語から遠ざかっている。

特に②の英語が心配だった。使わないものは、すぐ忘れていく。私の経験から言えば、半年で覚えたものは半年で忘れ、3年かかったものは3年の間にゆっくり忘れていく。次男の英語、特に単語は短期集中の暗記なので使い続けないといけない。少し前に次男と英語の勉強について話しことがある。
(私)   お前さぁ、英語だけは続けないとダメだぞ。三重大の2次に英語が無いので、センターが終われば英語も終わりだ。そしたら、単語も忘れる。
(次男)  俺もそう思う。ちょっとずつやろうと思う。  

(私)   当面は私立入試で思い出せばいいけど、とりあえず単語だけはやれよ。
思い出すだけで良いし。
(次男)  そうする。

こと時ばかりは2人の意見が一致したが、結局、“乞食のお粥(湯だけ)”でやることはなかった。やはり目標かないと続かない。よほど好きか、先を見てないと駄目である。


試験は1日だから、その夜 帰ってきた。2時間たらずの場所なので最悪通学も可能なのだ。
(私)   おお、どうだった。
(次男)  どうかな?
(私)   どうかなって、お前・・・・

“どうかな?”は以外だった。初めてのセリフである。次男の場合、出来たときは“完璧だ”とか“できた”とか言って、結果もでないうちから自慢げに言う性格。そして、逆の場合(自分に不利な時)は黙っている。


どうかな?とは、自信があるのか、無いのか。。。どうかな???
このあと、3月12日(火)発表までの2週間 受験生は何を思って過ごすのだろう。勿論、出来た人・出来なかった人、現役・浪人 千差万別だが、当人しか分からないようだ。

                     続く


プラス1 三重大学入学式 式辞(内田 学長)
  三重大学は素晴らしい自然環境に包まれています。伊勢湾に輝く波の翠、鈴鹿、布引山脈や学内に息づく樹々の翠、白い雲をたなびかせる澄み切った空の翠、3つの翠、三翠が三重大学の未来を指し示しています。・・・三重県の伊勢に神宮があります。1年後の平成25年に式年遷宮を控え現在でも賑わっていますが、江戸時代にはほぼ60年周期で爆発的ブームを巻き起こしたのが伊勢への「おかげ参り」です。1830年には当時の日本の総人口の6分の1以上の人々が半年間で伊勢を訪れたとの記録もあります。集客力は現在の万博をしのぐものです。歩くことが主な移動手段であった200年近くも前のことです。この驚異的な旅行ブームを仕掛け、それを可能にしたのは伊勢人の独創的な発想と行動力です。宅配便、旅行クーポン券、団体割引や宿の予約システムなど現代の旅行代理店の原型を生み出しました。真珠王、御木本幸吉氏も三重県鳥羽市の出身です。商才と向上心と社交性により成功を勝ち取ります。・・・
 大学時代には遠慮せずに失敗をしてください。
 失敗を勧めるとは可笑しいと思うかもしれませんが、失敗すると「どうしてそうなったのか」を自分の頭で考えるようになります。それを繰り返すことにより、考える力はもちろん自らに自信がついてくるでしょう。自信の有無がいかに人々の行動や成績を左右しうるかは、数々の実証的研究によって証明されています。「懸命にものごとに取り組むほど、人の意志決定能力は高まる」と信じている人は自らチャレンジングな目標を掲げ続け、優れた課題解決の戦略を駆使して、成果を上げることができます。自信をつけるということは「成功することができる」という信念を持つことだと思います。そして、学問はもとより、クラブ活動にも積極的に取り組んで欲しいと願っています。