会長の”次男の大学受験”                                  第1章  全ては”まさか”から始まった。

 高校受験 その1

 次男と長男は学校の成績もさることながら、性格も随分異なる。
「兄弟で、こうも違うものかな」
と、親ながら思う。

さて、次男の勉強成績は芳しくなかった。地元 東浦町中学校の順位は300人中120番。残念なことに他中に比べ学校全体の成績が悪かったので、高校受験は当然不利だった。母親(我妻)は普通科を進めたが、本人は工業高校でも良いと言った。 〜写真は東浦中学校〜


 正直なところ、私も残念な気持ち半分と(できるものなら普通科に言って、大学受験をしてほしい)、“まぁ いいか”という気持半分だった。(長男が出来が良かったことから不思議と余裕?があった。人に人の良いところがある。。。。)


 私の時代もそうだったが、中学生の進路決定は殆どの場合は成績で決まる。
成績優秀なら普通科。中間なら専門高校(工業・商業・農業)、悪ければ私立だった。実に分かりやすい。次男の成績は大学進学が望めない?あたり、もし工業高校にいけば上位となる。

 当時の家族会話を再現すると、

(次男) 普通科に行ったところで国立なんか受かる訳ないし、逆に就職は斡旋してくれない。
だったら工業高校に行った方が就職できるし、成績上位で楽しい。

(母親) あんた、それで良いの。頑張ってみなけりゃ分からないでしょ。
(次男) 頑張ったところで知れてるさ。
(母親) そんなことない。兄ちゃんだって頑張ってるでしょ。
(次男) ツヨ君(長男の呼び名)とは違う。
  ・・・・
(長女) 拓ちゃん(名前を拓真という)。勉強しなきゃ。。。
  ・・・・

人間は、人からとやかく言われると反発する。まして、出来の良い長男と比較されては、なおさらだ。やる気を無くすことは理解しているものの、気の利いた言葉をかけてやれなかった。
〜サッカー部の風景(厳しい練習だったが真面目にやった。結果は残念ながら。。。)

とにかく勉強が嫌いだった。まぁ欲が無いといえば聞こえが良いが、漢字・英単語などの暗記ものはさっぱり駄目。数学・理科はそこそこ。

やがて、本人のテンションは上がらないまま受験校決定の時期がきた。

学校の先生は言った。
「成績順で行くなら 普通科です。」
「行ける学校は いろいろあります。」

確かにそうである。“その先は入ってから考える” 聞こえは良いが問題先送りかもしれない。普通科には自由(選択肢が多い)はあるが、社会ですぐに役に立つことは教えてくれない。

 結局、工業高校に行くだけの勇気がなかったのか、周りに押し切られたのか分からないが、普通科に行くことに決めた。 頑張れば大学、ダメなら専門学校であった。
 (因みに東浦中学校から国公立大学に行けるのは、せいぜい20名)

              続く