Coffee Brake(長坂) 北アルプスの魅力
第2回:前略 後田先生(1/3)
今日は私の55歳の誕生日である。これを機会にGo go!と行きたい。
さて、私が山を始めたのは1976年 高専4年生の10月9日(土)、誘ったのは電気工学科 後田先生(当時29歳)、登ったのは御嶽山(御岳)3,063mである。下記が記念すべき山頂写真で、中央に座っているのが後田先生、その横が私である。
今回は、後田先生への手紙バージョンです。(読んでくれるかな?)
前略 後田先生
今年の “かきつばたvol.33”に先生の定年記事が載っていましたね。長い間ご苦労様でした。読んでいて“年を取ってしまったなぁ”と寂しい気持ちになりました。
あれは高専4年の時、
「おい長坂、山に行くからお前も一緒に来い」
と言われ、初めて御岳に登りました。
私の中には山登り=ロッククライミングのイメージがあり、素人には難しいと思っていました。しかし先生は
「大丈夫だ。気力と体力さえあれば問題ない」
と言われました。幸い他の仲間(写真の高専同期3名)も初登山だったので、“じゃぁ”と言ってついて行きました。10月初旬の高専(豊田市)は半袖で十分だったので、“防寒具を忘れないように”との忠告も聞かず観光地に行くつもりで出かけました。しかし、登るにつれどんどん寒くなり一枚また一枚と着ました。(今から思えば当りまでですが)山小屋には風呂くらいあるだろうと思っていたところ、
(先生) 「あるわけないだろう。頂上は水がないんだ。食事だって缶詰とか。。。」
(私) 「じゃぁ、何日も山登りをする人は、ずっと風呂なし?」
(先生) 「当たり前だ」
(私) 「ふーーん。何が楽しいですか。」
(先生) 「それは、、、登った者でないとわからん。」
このような会話をしながら山小屋についたのを覚えています。しかし、さすがは山小屋! ストーブがあり本当に暖かかった。
(私) 「10月初旬にストーブですか?」
(番人) 「この時期、朝の気温はマイナスだよ。」
(私) 「えっ?」
見るもの聞くもの全てが驚きの連続でした。そして翌朝、外は雪! しかも10センチほど積もっていました。これ以上着る服もなく、最後のヤッケを被って私は頂上を目指したのです。とにかく寒いのにはビックリしました。お陰でシモヤケになりました。2時間くらい雪山を歩いたと思います。この時だけは、自分が一人前の登山家(映画の主人公)になった気分でした。そして、頂上についたときの達成感。
「バンザイ!」
と思わず大きな声で叫んでしまいました。
(私) 「また、連れて行ってくださいよ。」
(先生) 「そうか。いいよ。」
今から思えば、この一言が私の山登りの始まりだったようです。
つづく