Coffee Brake(長坂)  北アルプスの魅力

第2回:前略 後田先生(2/3)


常念岳

そして翌年の盆休み。今度は2泊3日(+夜行列車)で常念岳2,857mに誘ってくれました。“安くするために山小屋ではなくテントが良いな”と言うから


(私)  「俺 キャンプで使う6人用を持っています。」
(先生) 「だけど、重いだろう。。」
(私)  「重いです。」
(先生) 「そうだろうな。。。まぁ長坂 担げ!」
(私)  「いいですよ」
(先生) 「初日の夕食当番はお前だ。」
(私)  「じゃ、野菜炒めにします。」
(先生) 「お前なぁ。そんなもの準備が大変だし、山の上は気圧が低くて火力が弱いんだ。野菜炒めにならんぞ。」
(私)  「良いじゃないですか。缶詰やカップラーメンじゃ元気も出ないし。。。」
(先生) 「じゃ、やってみるか。俺の携帯コンロは火力が強いんだ。だけど野菜炒めの材料は刻んで持ってこい。」
(私) 「わかりました。」

35年も前のことだから記憶が一部あいまいですが、たぶんこのような会話だったと思います。(写真は常念岳


夜行列車は初めてで、確か名古屋駅を零時に出発し木曽福島で下車、午前3時過ぎの上高地行きバスに乗りました。私も含めて皆が殆ど寝ることができず、おまけに翌朝は真夏の猛暑、徳沢から長塀山2,565m(ながかべやま)までの3時間半は、山の姿が見えない林の中をひたすら登るだけの辛く長い道のりが今でも思い出されます。
「何で、こんなことまでして登るんだ。」

こう自問自答していると、急に景色が開け山頂らしきものが見えてきました。人間(私)は単純で、周り・ゴールが見えると急に安心します。あれから幾度となく山に登りましたが、登山口から稜線までの登りは
“期待せず・無理をせず・ひたすら耐える”


 初日のキャンプ場所 蝶ヶ岳2,664mに到着して、持ってきたテントを組み立てました。6人用で確か5人、余裕のスペース。そして問題の野菜炒めを食べました。
 (先生) 「結構 美味いな。」
  (私) 「でしょ。やっぱ野菜に限るよ。」
 (先生) 「それにしても、このコンロ 火力抜群だな。」
  (私) 「どのコンロも同じじゃないの。」
 (先生) 「バカ言っちゃいかんよ。これは性能が良いんだ。」
  (私) 「ふーーん。そうですか」
  (この時、肉を入れたかは不明。徳沢で購入したか???)  
 
やがて暗くなり、昨夜の不眠と疲れで20時には眠ってしまいました。私は、何処でも眠れる人間のようです。山登りには向いています。山小屋では強烈なイビキが当たり前ですが、私は大丈夫です。と言うより自らイビキを発するようです。
つづく