会長の”されどアメリカ” その3交通事故(後編)

アメリカ人の優しさ)

どれほど寝ただろうか。。。
朝7時ごろ、優しそうなおばちゃんが朝食を持ってきてくれた。
パンと牛乳と、その他に2品ほどついていた。これが美味かった。思えば昨日の夜から何も食べていなかった。しかし、食べ終われば病院を出て行かないといけない。車が無いので新たにレンタカーを手配して、それから保険と警察と話しをして、壊してしまった家の補償もある。。。。
憂うつな気分になりかけていた時、保険関係者と名乗る男性(写真の叔父さん)が迎えに来てくれた。どこでどうなったか結末は全く分からないが、最寄のレンタカー会社まで送ってくれるという。有難いことである。
どれほどの費用が掛かるのか不安もあるが、まずはデトロイトの自宅まで帰りたい。

朝のウェストヴァージニアは寒かった。小雪交じりの銀世界である。4月7日というのに寒い。
男性は私に、「なぜ来たんだ?」と聞いた。
 ジョンデンバーに憧れて、ブルーリッジマウンテンを見たかったと言った。そしたら、近くに有名な山があるので、それを見てから行こうと話してくれた。写真の山がそれである。うれしくて涙が出た。まさしく恩人である。日本の義理人情に触れたような気がした。行く途中に「腹が減った」と言うと、ハンバーガー屋に立ち寄ってくれた。2時間ほどしてレンタカー屋に到着し新たに車を手配した。緊急なので通常料金の2倍以上かかった。
しかしである。帰りの出発地ロアノーク空港(ヴァージニア州)に行くには、再度山道を通らねばならず、加えて雪道なので危険である。ゆっくり走って飛行機を一本遅らせると追加料金が$500掛かる。悩んでいると、北上してピッツバーグから乗ってはどうかとアドバイスしてくれた。

ペンシルバニアピッツバーグ)かぁ。。。」

聞けば追加料金なしでいけるという。このようなアドバイスは地元の人しかできない。すぐに予約を済ませレンタカーを走らせた。そして、無事に飛行機にのることができた。

離陸して地上を眺めた。この24時間の間にいろいろあった。しかし、今は何も無かったように帰路についている。不思議な気分である。危ない経験をしたが、アメリカ人の優しさにふれた旅行であった。


このあと、保険会社・レンタカー会社とやり取りをした。
最終的に掛かった費用は下記である。
 追加レンタカー $500
 救急車 $400
 病院  検査・入院  $1500
 レンタカー全損     たぶん$4,000
 破損させてしまった家の修理代は不明である。日本であれば、折でも持参して謝りにいくのだが、その必要はないと言われた。
幸い赴任者は手厚い保険に入っているので、自分が払った費用は追加レンタカーの$500だけだった。
この経験で多くを学んだ。アメリカの優しさも知った。日本人の人情と変わりはないと思った。