(長坂) 京都 2016  〜京ことば “はんなり(ハンナリ)”〜

京都の魅力の源泉は何か。 それは、そこに住む“人”である。


観光雑誌などでよくみる言葉に“ハンナリ”がある。意味は、
「上品で明るく晴れやかなさま」

おもに色合いについていうことが多く、“ハンナリした色合いやし、うれしおすなー”
などと言う。京都らしい流行語の1つで“花(華)あり”を語源とするが、地元京都人はあまり使わないと言う。
〜写真は、上村 松園(女性画家)の「序の舞」。上品な華やかさをもつとされ、ハンナリに相応しい〜


いろいろと調べてみると、この言葉には深い意味がある。
「ハンナリは目立ったらいけない。それでいて品がないといけない。」
これは、京都人が1100年の都で生きてきた知恵そのものである。すなわち
「大事なことは目立ったらあかん。けれど印象に残らんとあかん。」


この話題を生粋の京都人:近藤正臣さん(NHK真田丸徳川家康の家臣:本田正信)は雑誌の中で次のように語っている。
「ハンナリは半分なり」
「見えるか見えないかの部分への心遣い、それがハンナリした雰囲気を醸し出す秘訣」


“ひけらかす”ことはいけない。洗練されていようとも自制心を伴うことが大事。仕草でも色合いでも味でも、むき出しではない奥床しさ。内面の豊かさを感じるもの。
これが京都の真骨頂かもしれない。


まぁ、サラリーマンとして生きていく知恵と同じですが。。。



プラス1  主な京ことば  
『アジナイ』(まずい) アコのうどんはアジナイサカイやめとき
『アンジョー』(上手に) 字もアンジョー書けたし、よろしオス
『イケズ』(意地悪) あの人イケズばっかりしハル
ジュンサイナ』(いいかげんな) あの人は、ジュンサイナ人ヤ
『ニヌキ』ゆで卵  語源は卵を固くなるまで「煮ぬく」ことらしい。
『ヒマセ』(作ってから日数の経た食べ物) その御菓子、ヒマセや
『ホタエル』(じゃれ合って暴れること) そんなことでホタエたら怪我するエ
『ムシャシナイ』(空腹を一時的にしのぐこと・軽食)


〜京都人らしさが表れているもの〜 
『コートナ』(地味で上品な) コートナ服
『イチハナダッテ』(最初に) 何でもイチハナダッテしたらアカン