会長の ”東北震災地を訪ねて”   津波の爪跡 8

大船渡 1
〜写真は津波に呑まれる大船渡プラザホテル。この日を境に休業に追い込まれたが、2011年12月5日より営業を再開した。大船渡の玄関口でもあっただけに復興のシンボルとなっている。〜

 この日は気仙沼陸前高田を訪問したが、かなり疲れた。けっこう涙も流した。Fさん(岩手県庁)からは、“気軽に見学して来てください”と言われていたが、私のようなテレビ・新聞でしか知らない者にとっては衝撃的だった。
さて、ナビの画面では大船渡まで40分となっている。宿泊するホテルを何処にするかFさんに相談したところ、震災から復興したホテルを2件紹介してくれた。1件は冒頭写真の“大船渡プラザホテル”で復興宿泊体験をする予定だったが、あいにく満室だった。
 “こんなこともあるんだ。。。いったい誰が泊まるんだ!”


そして、もう一軒の“ホテル福富”にTELしたところ、やはり満室。
 “いったい誰が何のために泊まるんだ。。。”
同じことを自分の頭の中で繰り返していると、電話先から
“1部屋だけ空きがあります。”
と連絡が入った。“お願いします”と即座に答えると

(ホテル)  “夕食が今できないので弁当手配となりますが、どうしますか”
(私)    “弁当で良いので2食付でお願いします。料金はいくらですか。”
(ホテル)  “7,000円です。”

“7,000円。。。安いなぁ。”と思った。
弁当は期待できない(美味しいもの?)が、どんな弁当か興味が沸いた。

“ホテルの周りは何もない更地です。それも見学してください”と言われていたが、行ってみると違った。
 “何もない訳ではない。少しはある。”
少しとは、新しく出来た流行りのドラッグストア2件。ホテル宿泊客目当ての居酒屋1件である。遠くの山裾には、震災を免れた家々が建ち並んでいる。普段は平地で市街地に近いところほど良いのだが、100年に1度逆となる。皮肉なものだ。
(写真は大船渡プラザホテル。左の白い建物が私が泊まったホテル福富)

満室のホテルは、殆どが復興作業に従事する長期連泊者だった。皆 作業服を着ていた。
“何となく、場違い”


一方で、前述した大船渡プラザホテルは“観光客”である。観光と言っても、以前のような“美しい自然と美味い食事”ではなく、


津波復興見学ツアー”

津波の爪跡をめぐる現地バスガイド付きだ。ガイドさんも実体験をもとに話をするので切実な話が聞ける。今回の訪問中に何度もお目にかかった。こっそり聞いたこともある。

(写真は宮古市田老(たろう)町で見た復興バスツアー)


さて、写真が夕食の弁当だった。
“普通の弁当だ。そしてインスタントの味噌汁がある。 コンビニで500円くらいかな。”

これと、近くのドラッグで買ったノンアルコールビールで食べた。
味?  残念ながら「大船渡の味」はしません。

あぁ。。疲れた一日だった。
そして、アルコール?が回ったように眠った。

続く