会長の”次男の大学受験”                                                                第3章  出陣1

受験校決定 1

 いよいよ、受験校を決めるタイミングとなった。国公立はセンター試験の出来を見てから決定すれば良いが、私立大学の多くはセンター試験前から願書受付となる。厄介なことに、金も掛かるし日程調整(大学によって受験日が異なる)も必要で、選定に苦労する。
長男の受験を経験して感じたことだが、
“結局、何校合格しても行ける大学は1つしかない”


腹をくくることも大事である。〜写真は名城大学〜 
私立を選ぶ条件は、“合格したら入学してもいい大学”を受験するのが原則だが、当然目標レベルなので合格率は低くなる。だから高校受験と同じ要領で、リラックスして第1志望校の受験に臨めるよう“滑り止め大学”も複数受けた方が良いとされる。一方、浪人覚悟なら、“目一杯突っ込む”ことが大切だ。“数 撃てば当たる”・“頑張れる”である。
ただ、次男の最大の関心事は
“一人暮らしがしたい。下宿したい”であり、この目標達成のために頑張っているのも事実だ。自宅通学できる私大では。。。 どうするのかな。。。
こんなことを考えながら次男に聞いてみた。
(私)  ところで私立だけど、お前 浪人する気はあるのか。
(次男) うーん。例えば中部とか、愛工大に行くくらいなら浪人する。
(私)  へーぇ、そうなんだ。
(次男) だって、一生懸命勉強しても結局仲間と同じ大学というのは納得いかない。自宅通学じゃ、つまらない。だったら浪人して頑張る。
(私)  分かった。お前にその覚悟があるのなら問題ないさ。国立受かれば、すぐ元が取れる。 で。。。もし浪人したら、兄ちゃんに対抗して東工大を目標にして頑張れよ。
(次男) いやっ。俺も兄ちゃんの後を追っかけていく。
(私)  えっ、 お前も京大?
(次男) まぁ。
(私) ・・・(絶句)。。。。  

正直、京大は予想もしていなかった。思えば、幼い頃から次男は長男と比較され、いつも劣勢(出来が悪い)だった。コンプレックスがあったと思うし、違った道を歩みたい(同じ大学なんてまっぴらゴメン)と考えているだろうと思ったが、違った。
こともあろうに、“兄ちゃん”と同じ道を歩みたいとは。。 
私は千葉大学という関東圏へ行ったので、東京の良さは十分知っている。受かる受からないは別にして、東工大はカッコいいしアメリカで言えばMITである。“目標とする大学”としては良いと思うのだが。。。
 〜MITの前で(2005年 小栗信也君に撮影してもらった)〜


(私) そんなに京都がいいかね。父さんのようなオジサンだったら、お寺参りもできるので魅力あるけど。。。。
(次男) ・・・・
(私)  浪人したら京大目指したいのなら、三重大と言わずにもっと高い大学にした方がいいんじゃないの。
(次男)  いやぁ、三重大合格なら十分。御の字だけど。
(私)  お前のいうこと良くわからんわ。父さんは。
(次男) そう? とにかく三重受かったら行くよ。俺。
(私)  よし、分かった。
(“次男の考えていることが私には理解できない”ことが分かった。)

(私)  ところで、私立で行ってもいい大学は?
(次男) 名城かな。それと豊田工大も就職率100%みたいだし、だけど難しい。
(私)  受けなきゃ合格しないからな。     ・・・・・
    じゃ、早稲田・立命・名城と豊田工大の4校にするか!
   (早稲田と立命館は受けることが決まっていた。)

(次男) お金 頼むわ。
(私)  いいぞ。。だけど、頑張って国立か早稲田に合格してくれよな。
(次男) ・・・(苦笑い)


こうして私立大学の選定が決まったのである。

                         続く


プラス1 東工大:三島学長 入学式式辞

 皆さんは入学試験の難関を突破し、東工大への入学を果たしました。しかし、これは新たな挑戦の始まりです。夢と希望を胸に東工大の生活を始めてほしいと思います。・・・大学での学びの姿勢は自分がこれからどの分野を専門とし、将来社会に出てどのような役割を果たすのかを考えながら積極的に必要な能力を身につけるべく挑戦していくことにあります。何を教わるのかではなく、目標を立てて、そのために何を学ぶかを自分で考えて決めることが重要なのです。・・・繰り返しますが大学での学びの姿勢は言われてやるのではなく、常に向上心を持ち、目標に向けた自分のための学習方針を考え、実行するところにあります。サークル等の課外活動も含めて、是非とも一人ひとりが専門基礎力と豊かな人間性、そして国際性を身につけてもらいたいと願っています。皆さんの一人一人が東工大生としての自覚と、自分の能力を高めようという熱意を持って、沢山のことに挑戦して有意義な学生生活を送ることを願っています。
(〜写真は東工大 大岡山キャンパス〜 数回訪れたが、実にアカデミックな雰囲気だった。)