会長の”明日に架ける橋” 番外編 ローマ

 ローマは歴史のある街だが、実際に旅行してみて分かったことは、古代・中世・現代が隣り合って見える場所である。世界の多くの都市が川の周りに存在するように、ローマもテヴェレ川が悠然と流れており、そこには古くから橋が掛かっている。
この橋はシスト橋と呼ばれ、今から2,000年前の紀元後100年 ローマ帝国最後の五賢帝マルクス・アウレリウスアントニウスにより建造されたと言われている。途中に崩壊し1473年に再建されたらしい。

歴史の重みを感じる橋

橋の中央に丸く穴が開いている。これは「大眼鏡」と呼ばれ、テヴェレ川の警戒水位を知らせるためのものである。古代の知恵が活きている。

ローマを古代・中世・現代に分けて紹介する。

(古代)
 写真の右側円形屋根はパンテオンと呼ばれている神殿である。。パンは“全て”、テオンは“神”の意味らしい。日本なら神社である。紀元後118年の建築なので、2000年の時を経て未だ健在している。現在、この周りはコーヒーを楽しむために人々が集まり、パラソルがひしめきあっている。丁度夕食時だったので、近くのスーパーでコーラとパンを買い、イタリア人に混じってパンテオンを眺めていた。9月の夕暮れ時で、何とも至極のひと時であった。

(中世)
 中学生の時、世界で一番小さな国は「バチカン市国」であると教わった。ローマの真ん中にあるキリスト教カトリックの総本山として存在している。この中には、ミケランジェロが6年間の歳月費やして描いた「最後の審判」がある。1541年の作品である。礼拝場の天井画であるため椅子に座って眺めるのが一番であるが、大変な混雑のため椅子を見つけるのも一苦労であった。
世界中同じであるが、人が集まると雑談が始まる。まして、世界に冠たる「最後の審判」である。会話のボリュームがどんどん上がるため、係員が「静かに」と定期的に声を掛けている。ひょっとして、この人は「静かに」と言うのが、メインの仕事ではないかと思う。大きさにして15m*15mある。圧倒される。ここは是非行くべき。

(現在)
 ローマはファッションの街として有名であるが、一番の目抜き通りがコンドッティ通りと呼ばれる200メートル足らずの狭い通りである。いわゆるブランド店が立ち並ぶ通り(ニューヨークの五番街、ロスのロデオ通り、パリのシャンゼリゼ。。)。私も、この手の情報には興味があるので浮き浮きしながら歩いたが、とにかく人が多いのには驚いた。場所はスペイン広場から真直ぐ伸びているので、すぐ分かる。

 イタリアは、食事も含め日本人にはフィットする街である。ヴェネツィア、フィレンチェ、ローマと行ったが、もう一度行くのならローマである。冒頭にも書いたように、何処を歩いても観光地であり興味が尽きない。古代建物のすぐ向こうにマクドナルドがあったり、その奥には中世の建物と。。。
 かの法王グレゴリオ14世は、3週間未満の旅行者には、「ごきげんよう、さらば!」、数ヶ月滞在者には「またローマで会いましょう」と挨拶したそうだ。