会長の”明日に架ける橋” その15

アメリカは豊かな国だと紹介したが、橋を作らずにフェリーで対岸まで運んでいる場所がある。その1つが,ミシシッピィ川の河口にある通称「ミシシッピィデルタ」だ。
写真の場所はPointe a La Hacheという町であり、他にも数ヵ所このような場所が存在する。

橋のない川

なぜ橋を架けずにフェリーで渡すのか、理由を調べた訳ではないが、想像するに下記であろう。
①河口付近とは言え、川幅が600メートルと狭い上、行き来する貨物船は巨大(背が高い)のため、橋建設には巨額の費用が必要である。(写真が船と対岸)

②この付近の人口は少ないが、対岸に行くには片道50キロ上流のニューオーリンズまで行く必要があり、とても不便である。
③川幅が狭いため、フェリーで横断しても危険性は少なく安価である。

フェリーを待っているドライバーに聞いてみたが、定期的運行ではなく車が来るたびに出発するらしい(夜間は通行不可)。まるで江戸時代の「渡し」と同じやり方である。勿論、地図にはフェリーのマークがあり、道として載っている。通行料は無料(チップのみ)と想像できる。
 因みにこの地域は、ハリケーンの進路に当
たり、2005年8月のカトリーナでは甚大な被害を受けた場所である。この写真は2006年12月に撮影したものであるが、いたる所に仮設住宅が立ち並んでいた。日本で言えば阪神大震災と同じ風景である。早く立ち直って欲しいと思う。


 フェリーで川を渡る場所はアメリカ中西部を流れるオハイオ川にもあった。Cave-in-Rockがそれで、ここのフェリーはイリノイ州ケンタッキー州を行き来している。数キロ離れたところに52nd Cross Stの普通な橋があるため、ここは生活道ではなく観光名所である。(フェリー乗り場の隣はCave-in-Rock State Parkとなっていた。)

 以前にも述べたが、アメリカでは何でもない場所が日本人にはとても珍しい場所や風景として映る。上記2つも、尋ねる目的でドライブしたわけではなく、何気なく走っていたら出くわした場所である。