会長の”質問魔”と呼ばれて(その5 電気機器学)

電気機器は高専の2・3年で勉強したが、さっぱり分からなかった。微分積分の知識と電気磁気学の知識が無い中での授業だから、中途半端だったこともあり興味がわかなかった。大学で再度受講することになり、電気磁気学同様 「疑問=質問」のスタイルで望んだ。S先生という、一度会社に勤めてから大学院に入り直して教官になったという苦労人であった。当初は授業が終わってから先生の部屋で質問をしていたが、私の質問を他の生徒にも紹介したいと言い出し、授業の最後5分間を「長坂君の質問タイム」と称して時間を割いてくれた。こうなると、今まで以上に授業を真剣に聞くと共に、何か疑問点も見つけ出そうと必死になった。同級生からは「質問魔」と呼ばれた。ただし、定期試験では平凡な点数が取れなかった。点数を取ることに興味がわかず試験勉強しなかったのが正直なところだ。先生に申し訳なくて謝りに行ったとき、「君みたいな生徒は大学の仕組みの中では評価されないが、きっと会社では上手くいくよ。」と慰めてくれたのを覚えている。

大学での教科書:授業は教科書以外に他文献も使用したので完全読破したわけではないが、年季の入った一冊である。