会長の独り言(昔話その1 歴代記録)

歴代記録10傑をスタートさせたのは、私が5年生の時でした。(1978年3月卒業前)
監督をしていた小栗先生に、
「もう、陸上部も15年たったのだし、この辺で歴代記録を作りたい」と相談しました。
突然にアイデアが浮かんだ訳ではありません。その頃、小栗先生を慕って我が豊田高専のグランドに練習に来ていた佐世保高専の篠崎さんから、何気なく「佐世保高専 歴代10傑」を見たのがきっかけです。(篠崎さんは100メートルで11秒2という記録が残っていました。)

「こういうものがあれば現役の励みになるし、後世に残るなあ」と思いました。

 当時の佐世保といえば全国大会の常連校であり、中長距離やマイルリレーで圧倒的な強さを誇っていました。私も3回全国大会に行きましたが、佐世保の選手を見るたびに、憧れを持って眺めていました。篠崎さんは練習に来ると、「豊田はこんな練習しかやらないから強くなれないのだ!」と我々を叱咤激励してくれました。キャプテンの私としては、耳の痛い話だったのを覚えています。30年以上前の話です。
そんなこともあって相談したわけですが、小栗先生は少々困った顔をされ、次の2つを言われました。
①歴代を作るとなると、記録を全て洗い出さないといけない。立派な成績が漏れていては選手に申し分けない。主要な大会の記録なら全て分かるが、月例会などの記録、また途中でクラブをやめた人の記録まで網羅するのは、大変な作業だ。
②全ての種目で10傑を載せると、レベルの低い記録もある。これでは選手に申し訳ないし、豊田高専として恥ずかしい。

ただし、先生も歴代記録10傑を作ることには賛成だったので、やるためにはどうするかという話になりました。(小栗先生という人は、学生から頼まれたことを断ったことはありません。)
2人でいろいろ検討した結果、下記で進めることにしました。
①については、先生の部屋に埋もれている過去の記録、書類全てを確認する。
(小栗先生は立派な先生ではありますが、整理整頓は。。。。)
やがて、2人して2回に分けて全部確認しました。すると、高専大会等には載ってない立派な記録が何点か出てきました。
全て、やり終えたとき、
  先生 「これで全てだ。長坂 やったな!」
  私  「そうですね、これで胸を張って豊田高専歴代記録と呼べますね!」
こんな会話をしたのを覚えています。
一方②については、100メートルや1500メートルは問題なく10傑が作れましたが、投てき(当時は、このジャンルが弱かった)・ハードルなどは、10傑ではなく5傑としました。

こうして、豊田高専 歴代記録10傑 は誕生しました。

現役諸君
 安心してくれ、君たちの記録は豊田高専創立以降全ての記録の中で、光輝くのだ!

OBの皆さんへ
 最近の現役の活躍を、OBの1人として誇りに思います。記録はいつか破られるものとは申せ、寂しいものです。ただし、破るのは我々の後輩なのです。折に触れて現役を励ましに来てください。

以上