その8 息子の成績
さて、今まで述べてきた“予備校”という環境の中で、息子は1年間勉強を続けてきたのだが、私が意外だと思ったことが2つある。
1.浪人しても、成績は急には上がらない
高校生活は3年間であり、まして本格的な受験勉強は1年程度なので、遊ばなければ目標大学は100%合格するはずだ。むしろ現役時に落ちた大学など最低線で、間違っても前期の模擬試験などは、余裕のA判定だろうと思っていた。陸上競技の100mに例えるなら、20m先からスタートするようなもの。
「前期は先行、後半で逃げ切りも容易。」
しかし、実際は違った。表が息子の1年間の模擬試験結果である。
(A:合格可能性80%以上、B:60%、C:40% D:20% E:20%以下)
月 | 模試名 | 第一志望 | 判定 | 第二志望 | 判定 |
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5月 | 全国判定 | 京大 工 | C | 東工大 | B |
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5月 | 全国模試 | 京大 工 | B | 阪大 工 | A |
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8月 | 京大実践 | 京大 工 | C | 名大 工 | A |
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9月 | 全国判定 | 京大 工 | C | 東工大 | B |
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9月 | ベネッセ | 京大 工 | D | 阪大 工 | B |
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10月 | 全国模試 | 京大 工 | B | 名大 工 | A |
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11月 | ベネッセ | 京大 工 | D | 阪大 工 | B |
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この結果には、ガッカリどころか、驚いたというのが実感だ。
現役高校生の1年年下に完敗という結果である。努力・努力というけれど、才能の方が大きいじゃないか。これでは、第一志望を諦めるのか、いや、努力せずに勉強をサボっている結果なのか。。。。
目標はどこに行ってしまったんだ!
「模試でA判定一回も取れてない。お前 やる気あるのか! 京大は諦めたのか。。」
やり場のない悔しさ・無情観が夏の終わりから秋にかけて襲ったのを思い出す。もっとも、この
事実を一番気に掛けていたのは本人だろうが。。。
「大学受験も陸上競技と同じで、持って生まれた才能に大きく左右される」
こう考えざるをえなかった。
2.息子のことが、ちっとも分かっていなかった。
息子が合格し京都で下宿を始めたあとで、お礼を兼ね
駿台のクラス担任を尋ねたことがあった。
「息子はどうでしたか?」
との問いに対して、
「前期は優柔不断で、“どこにしようか”・“何がやりたいか”悩んでいましたが、後期は人が変ったように一心不乱で勉強していました。授業も休まずに出席し集中していました。入試直前にも会話をしましたが安定していました。家で勉強はやらないと言ってました。
“受かるべくして受かった”、と予備校は思っています」
これには驚いた。というのは、私の予想と正反対だったからだ。始めの頃は、帰宅するとテレビも見ずに、食事中に英単語・漢字の本をみていた。
「さすが浪人だな。自覚している。」
しかし後期になると家族が見ているテレビに見入ってしまって、時間だけが過ぎていくこともたびたびあった。
「大丈夫かなぁ、コイツ」
子供と接する唯一の時間での行動、及び模擬試験の
不本意な成績結果から判断して、私としても、こう思わざるを得なかった。ただ、ガミガミは言わなかった。私が息子に忠告するときは、前述したように、A4 1枚のメッセージだけだった。
前回の“生徒とカウンセ
ラーの会話”を紹介したが、私もそこに登場する親そのものだ。クラス担任からこの事実を聞かなかったら、誤解したまま過ごしたことだろう。
「親(他人)なんて、目の行き届くことでしか判断できない。」
さて、こうして1年間の浪人生活を過ごした訳であるが、良くも悪くも続けたことが2つある。
1.家では長時間勉強しなかった。
平日は予備校で夜遅くまで、休日は図書館かスタバ。。である。家では集中できないことを知っていたし、息を抜く場所と決めていたようだ。
2.朝早く起きたことは、1年間で3日程度だった。
「明日6時に起こしてくれ。」
と何度となく言ったが、実際に早起き出来たのは元旦と長期休暇の初日ぐらいで、残りは予備校にいくギリギリまで寝ていた。優柔不断な性格だ。そのクセ、「何で叩き起こしてくれなかった!」と母親には文句を言ったそうだが、私は、いつも
「寝かせておけばいいんだ。」
,と妻に忠告した。寝るのが零時過ぎの毎日である。”睡眠は体の欲求”なので、マイナスではないと思っていた。
(総括)
予備校終了時点(センター直前)でもらった予備校での成績(スーパー京大DASHクラス)は
39人中14番
「へぇ、結構頑張ってるんじゃん!」
京大選抜クラスで真ん中より上なのだから、“合格するのでは…”
と、結果(数値)でしか見てない私は浮かれてしまった。
一方で、最後に息子は言った。
「やっぱ、物工は難しい 諦めた!」
上記の「京大 工」は偏差値上では最も難しい“物理工学科”である。残念ではあるが、頑張ったが力及ばず、諦めがついたようだ。しかし、これが最終判断を狂わせることなく、学科の選択をさせる効用になったかもしれない。そして、京大への夢は捨てなくて済むようなレベルに達したようだ。
実は、サブタイトル
“第一志望は、ゆずれない”は
駿台予備校のキャッチフレーズであるが、息子は、ゆずったことになるのか、いや
京都大学が第一志望と考えれば、譲らずに済んだのか。。。
こうして長く辛い息子の予備校生活は終わりを告げ、いよいよ試験本番を迎えることになる。
続く
プラス1 浪人生から親へのメッセージ
浪人生からのメッセージ(最終)は下記である
。「感謝」の気持ちがほとんどなのは、嬉しいことだ。親子の絆が文面から伝わってくる。
☆保護者への日頃の気持ちを・・
・何も言わずに見守ってくれてありがとう。
・毎日自分を支えてくれてありがとう。頑張ります。
・今年はきちんと大学に受かります。頑張って合格します。
・いつも弁当を作ってもらって。。ありがとうございます。
・お金も、”めっちゃ”かかるのに浪人させてくれてありがとう。
・感謝しています。ありがとう。
・楽しく過ごせるのは、お父さんお母さんのお陰です。どうもありがと。
・浪人が決まって落ち込んでいるとき、「勉強しなさい」などと言わず待っていてくれて感謝しています。
・未熟な僕に明るく接してくれてありがとう。
・お仕事いつもお疲れ様です。僕も勉強がんばります。
・ごはんありがとう。
・寮に入ってから親の大切さがわかりました。
・朝決まった時間に起こしてくれてありがとう。
・心配とか迷惑をいっぱいかけてごめんなさい。なかなか帰れないけど、ちゃんと合格して笑顔で帰れるように頑張ります。
・夜遅くに駅まで迎えに来てくれてありがとう。
・自分のやりたいことを応援してくれてありがとう。
・サッカーやりたい。。。運動不足でイライラ。。金欠
・いつも忙しい中、時間を作って会いに来てくれてありがとう。
・毎日あったかい夕食が楽しみで、それが支えになってます。
・感謝と申し訳ないっていう気持ちで一杯です。こんなにお金をかけてくれているので、絶対に良い結果が残せるようにします。
・わがままを聞いてくれてありがとう。いろいろ気をかけてくれているので、絶対に良い結果が残せるようにします。
・わがままを聞いてくれてありがとう。
・朝晩メールくれてありがとう。いろいろ気にかけてくれてありがとう。早く実家に帰りたいです。
・体調管理も気づかってくれて、本当に感謝しています。
・毎日あったかい夕食が楽しみで、それが支えになってます。
・あと数ヶ月サポートお願いします。
"予備校"編 終了にあたって
本日は、
センター試験の初日である。昨年が懐かしい。私が想うところは下記である。
勉強した者が、正しく評価される問題であって欲しい。番狂わせがあってはいけない。
“努力は報われる”
これも受験を通して学ぶべき内容である。