会長の”Imadokiの大学受験(京へ)”                                                                                   自分の人生は、自分が主人公  その5

その5 (親が)心配したらキリがない 
ほっとしたのはセンター試験が終わった晩だけで、翌日から新たな苦悩の日が続く。
前述したように、Imadokiの受験生は自己採点結果を予備校に登録し、その合否判定予想に基づいて出願校を決定する。センター試験3日後には、全受験生489,280人に対し415,789人、実に85.0%が登録している。これだけの量があれば、母集団の推定もほぼ100%可能だろう。あらためて受験システムの凄さに驚く。
「実に見事である。さすが予備校」


息子の773点(得点率85.9%)における合否判定 (参考:昨年650点 72%)

前期 参考 後期・中期 私立センター利用
大学名 判定 昨年 大学名 判定 大学名 判定
京大 地球工 B E 阪大 電子 C 同志社 機械 B
京大 化学 C E 横国大 工 A 南山 経済 A
京大 物工 C E 北大 機械 A
名大 機械航空 A D 神戸大 電気 B
東北大 電気 A D 大阪府立(中期) A

 さて、上記が息子の志望校合格判定である。昨年不合格となった名大 機械・航空、東北大ともにA判定(80%以上)である。素晴らしい結果に我ながら驚いてしまった。因みに昨年の点数650点では京大はE判定(20%以下)、その他も軒並みE,Dである。これでは志望校を選ぶ以前の話で、一発勝負で突っ込むか、諦めてランクを下げるしか道はない。昨年はこのようなデータを眺めたことが無かったが、志望校に合格する夢を捨てなかったことが今に繋がっているのだろうか。。。そして、一年間予備校に通った甲斐があったというもの。
しかし、息子が希望していた京大 化学・物工はなんと「C」判定である。
 「京大は難しいんだなぁ」


完璧なデータを基に判定されると、認めざるを得ない。
さて、773点は想定内なので前述したシナリオ表からいけば下記だろう。
  前期:京大 化学
  後期:横国大 工
  中期:大阪府立 工

願書の提出期限は1月24日〜2月2日(水)大学必着  10日間の攻防となる。
「沈着・細心・大胆」
に志望校を決めなさいと予備校は教えている。これだけデータが揃っているのだから、志望校に対し、自分の点数を冷静に判断して決断しなさいということであるが、簡単にできるものではない。人間にはロジカルな部分(理性)とは別に感情がある。“思い”・“こだわり”もあれば欲もある。
・予想以上の点数だと、“もっと上を”となる。
・浪人生は、“とにかく大学生になりたい”とワンランク下げ冒険を避ける。
・現役は、行け行けドンドンで突っ込んでいく。
・出願期間中の動向を見て、さらに迷いが生じる

志望校決定は、受験生40万人強の人生岐路である。



1月20日
息子が持ってきたのは下記であった。
 前期:京大  地球工
 後期:横国大 電気
ここから、長い会話が始まった。

 (私)  なんだ、京大は化学じゃなくて地球工(土木)か。シナリオと違うじゃないか。
 (息子) そうなんだ。
 (私)  。。。。なんでだ。
 (息子) 化学のC判定は合格50%。心配で受けれない。
 (私)  だって後期もあるだろう。横国も北大もA判定なら80%以上合格だぞ。
 (息子) 前期で落ちると、後期はラストチャンスだ。
      本当は、前期に名大 機械航空でもいいかと思っている。これだとAだ。
      確実に合格したいんだ。
 (私)  なんだ、今さら名大とは!
もし、これで京大を受けなかったら、あれだけ京大・京大と言っておきながら2回とも受けずに終わりか? せめて1回くらい受けたのならまだしも、何のために浪人したのだ。 (写真は京大正門)
 (息子) 受験生はナーバスなんだ。 
 (私)  。。。それで良いのか!
 (息子) ・・・・
 (私)  とにかく京大受けてみろよ。
 (息子) まぁーね。。。

 さすがに頭にきた。親としてではなくて、“1人の人間として”である。しかし、息子が言っていた、“浪人生はナーバス”の意味が分かった。
 「冒険せず、前期はA判定大学を受けたい。まずは大学生になりたい。」


確かにA判定でも合格は100%でなない。そして、万一不合格になった時の頼みの綱が後期である。しかし、、、だとしたら私大受験は何なんだ。

 (私)  ところで後期は横国大だが、本当にそんなに良い大学なのか?
 (息子) そうだよ。
 (私)  受験データではそうかも知れんが、それは東京圏での話しだ。全国区でいえ旧帝大だ。北大もAなんだから、そっちの方が良いぞ。(写真は北大クラーク博士像)
 (息子) そうかな。
 (私)  お前はまだ分からんが、社会に出ると人脈が大切だ。旧帝大は人数も多いし歴史もある。個人の実力や努力なんてチッポケなものだ。
 (息子) そうかな。
 (私)  まだ時間はあるから、とりあえず可能性のある大学の出願書を取り寄せるか。
 (息子) そうだね。

ということで、息子を悩ませた責任もあり私がやることになってしまった。一大学500円で、HPから申し込めば3日ほどで届く。息子は既に京大・東北大・横国大を取り寄せていたので、北大と神戸大を追加しようとなった。ただ、再度の取り寄せは締め切りに間に合わないので、息子にこっそりと阪大・九大も取り寄せることにした。されど名大は辞めた。


(息子) 南山はセンター試験利用でもA判定だから、一般受験は受けないつもりだ。
 (私)  まぁ そうだけど。定員が10人しかないと心配だな。。
 (息子) さすがに良いと思うよ。770点以上取って南山を受ける奴はいない。
 (私)  よし、センター利用で行こう。

口ではこう言ったが、しっくりいかない。心配しだすとキリがないが、
「スベリ止めになっていない。」

これが理由である。

                           続く


プラス1 父からのメッセージ 1月
合格したら父からのプレゼント
  京都大学     10万円 贈呈
  早稲田大学    5万円 
  慶応大学      5万円
・勉強に残りが生じたらホテル合宿せよ。
・辛さも楽しさも、あとわずか。悔い無き毎日を!!



息子に少しでもやる気を出して欲しいと願って、ついつい賞金を出してしまった。「馬にニンジン」じゃないが、やる気が倍増すると思ったからである。しかし、息子は反応しなかった。子供達(長女と次男)からは、
「お父さん、そんなことしたってダメ! 何考えてるの。。」

と諭された。そして、息子は冷めた口調で
「やる気には繋がらないが、合格したら金はもらうからね」

と言った。
「全く。。。。」


それでも幸い?だったのは、当初は倍の金額(京大20万円・早慶10万円)を提示する予定だった。最終的に、3校とも合格したため20万円払うという羽目になったが、もし倍額だと40万円の出費と恐ろしい結末だった。それにしても、
 「Imadokiの子供は何を考えているか、分からん?」

息子と対峙してみて感じた。


プラス2  受験者の模擬・本試験の結果(A君の場合)
 表は、駿台浪人生A君の結果である。12月模試がA、センター試験がBだったから京大を受けることを決意できたのではないか。どちらかが悪ければ前期:阪大、後期ワンランク下げとの受験となったと想像する。
「自分に実力がついたことを証明することは難しい。」

早稲田・同志社の合格がそれを証明しているが、本番では、「時すでに遅し」である。

模試名 大学名 判定 本試験 大学名 合否
8月大学別 京大 工 D センター 京大 工 予備校判定B
9月判定 京大 工 A 前期 京大 工 合格
10月全国統一 京大 工 D 後期 阪大 工 未受験
11月大学別 京大 工 D 中期 大阪府 未受験
12月センタープレ 京大 工 A 私立 早稲田 合格
私立 同志社 合格