会長の”イマドキの大学受験(予備校)”                                                          第一志望は、ゆずれない    その7

その7 保護者
 今回は、受験生の親について紹介する。
予備校が主催する“保護者懇談会”というのが年3回ある。クラス別(文系・理系・医学系)&レベル別に懇談会場が分かれている。私が参加したのは東大・京大理系クラスだったが、感じたことが2つある。
①賢そうな顔の人が多い。そして品のある女性が多い。
②11月(最終の第3回)には、とても疲れた顔をしていた。

「親も子供と同じ受験(浪人)の1年を過ごしている。」

 
さて、懇談会の目的は“大学受験について知ってもらう”ことで、子供と接する上で最も大切である。従って、失敗した入試の振返りから、今年の予想を大学別に詳しく解説してくれる。もう1つは子供との接し方であり、子供の考えていること・精神状態や、合格した親からのメッセージの紹介がある。

 以下、印象に残っている内容を紹介する。
①最終判断(志望校の選定など)は子供本人がやること。 
  他人が決めた目標は続かない。


②子供の成績は謙虚に受入れること。(弱み・強み)
③溺れたら受からないタブーの法則
 1)酒 2)タバコ 3)アルバイト 4)恋人 5)大学友人 6)夜型 7)欠席
④親は、鍛えられた「待つ」能力をフルに発揮して、どっしり構えるのが理想。


⑤ある生徒とカウンセラーの会話:
 親って、自分の目の届く所で勉強しているかどうかで判断するんですよね。前は予備校の自習室に最後まで残ってやって、家ではあまり勉強しなかった。そしたら怒って
 「うちの子は、ぜんぜん勉強しないのよ。受験生なのに困ったものだわ」
なんて電話で人に言うんです。そのくせ最近早く帰って家で少しやると、
 「近頃頑張っているんじゃない!」
なんて喜ぶんだから。前もよく勉強したと思うけどな。。。それに、プロセスが大切とか言いながら、結局テストの点数とか結果しか見ないんですよね。でも、母親の機嫌が良いと、こっちも気持ちよく過ごせるし、食事にも気を配ってくれたり、他にも良いことがあるから、親にも気を使わないとね。。。。

 上記の会話でカウンセラーは、「認める」「励ます」「応援する」ことが大切と述べている。



⑥受験生に接する際の原則は 「自尊心を最大限に尊重すること」
⑦気の利いた言葉の例
 「分かっているとは思うけれど、話をするね。。」
 「大変ね、よく頑張ってるわね。」
 「ちょっと休んだら? コーヒー入れようか?」
 
⑧合格した保護者からのメッセージ:
1)子供から助けを求められたときは、いつでも手を差し伸べる心積もりはしつつ、今は静かに見守るのが一番だと思います。受験を通して、子供は親が考える以上に精神的にも成長するようです。

2)今の時期(11月)、親が不安になって安全策をとりたくなるものです。でも1年間頑張った子供を信じて、めざしたところを受けさせてあげてください。うちは、とうとうC判定のまま本番に突入しましたが、覚悟を決めた分、集中して試験に臨めたと思います。

3)勉強のことは駿台にお任せし、親は裏方に徹しました。お子様が一番勉強に集中し十分力を発揮できるよう、体調管理に気をつけてあげてください。

4)お子様を信じて、「笑顔マーク」「ピースマーク」の“いってらっしゃい”メールで送り出してあげてください。

5)私は息子に、「浪人生活なんて、現役合格したら味わえない経験だよ。人生の中で、いろんな経験ができてよかったね。」と言いました。勉強はスペシャリストの先生方にお任せし、本人の思うように1年過ごさせ、私はただ毎日お弁当を作り、家ではゆっくりできるように心がけました。


(私の場合) 
東大・京大クラスの子供は見栄やプライドがある。それが頑張りになる。歯止めになる。親も同じではないか。少なくとも私はそうだ。息子が京大に合格した瞬間は、人に言いたくて仕方がなかった。しかし逆の立場(聞く方)から見れば、自慢話を聞くことになる感じがしたので、息子が子供の頃から世話になった近親者だけにした。 例外は“OB日記の本ネタ”

いずれにしても息子が第一志望に合格したから良いが、自分は息子に何をしてやれたのだろうか。“さぞかし大変だったろうに”、と改めて感じるこの頃である。
                                続く


プラス1  浪人生から親へのメッセージ

★保護者に謝っておきたいこと。
・いろいろ迷惑かけてごめん。
・金銭的に迷惑をかけてごめんなさい。
・2浪して負担を相当かけているのに、まだ甘さが抜け切れてないところがあってホントにすみません。
・なかなか結果が出なくてすみません。
・浪人してしまったこと。
・イライラして、いつも八つ当たりして、暴言はいてすみません。
・帰り遅くてすみません。
・模試見せなかったこと。
・ときどき機嫌悪くてごめん。
・浪人した分のお金は必ず返します。毎日弁当を作って頂き申し訳ない。
・怒られたり文句言われたりすると、イライラして親の言うことが当たっている時でも、逆ギレしてごめんなさい。
・バカですいません。
・大学いけなくてスミマセン。
・昨日パソコン壊したよ。
・“勉強計画的に進んでる?”って言われた時に、“できてる”って答えたけど、実は復習がたまってます。
・なりたい職業が収入が安定しない職業でごめんなさい。
・朝起きれなくてごめんなさい。
・お金の面でも・送り迎えでも迷惑かけてごめんなさい。“やる気がない”と言ってだらけてる時も申し訳ないと思ってます。