会長の ”歴史能力検定試験(歴検)夏の陣 後編” その3

 今週の日曜日(11/18)簿記検定試験があった。2年ぶりに検定員(試験官)をやった。受験生の緊張が伝わってきて午前中で疲れてしまったが、最近緊張するという場面が皆無なので、とても充実した日を過ごすことができた。(陸上競技で言えば、スタートラインに立ってピストルが鳴るまでの緊張感)
 さて、歴検シリーズも今回で終了です。


一冊の本

 歴史の勉強に関して1冊の本がある。山川出版の“詳説 世界史”だ。高校生が使う教科書で、大学受験には最強と評されている。この本との出合いは高専2年生の時、授業で使うために買ったものである。当時は歴史に何の興味もないまま勉強もロクにせず終わってしまったが、本だけは捨てずに残しておいた。いつか勉強するような気がしたからだ。それから5年後の千葉大学で、世界史の勉強というよりも、“産業革命”に興味が沸き講義を聴いた。その際、参考書としてこの本を持参したのだが
「基本を理解していないと各論を掘り下げても分からない」


と悟った。無駄?と世間から言われている大学受験であるが、こういう所で差がついてしまう。
「一般常識がない。」
ちょっと悔しいが認めざるを得ない事実であった。

やがて社会人となり、学生時代に使用した教科書の多くは部屋の整理をする都度に減っていったが、なぜだかこの本だけは最後まで生き残った。そして出会いから数えて25年目。アメリカ赴任の時、”せっかく異国に行くのだから世界史を勉強しよう!” と持参した。そして現在、歴検受験用として役立っている。

いま持っているのは数えて3冊目にあたる。歴史は人間の営みなので事実を追加しないといけない。40年の間に国名も大きく変わった。ソビエトはロシアになったし、東西ドイツは統一されドイツとなった。人類が月に行った。コンピューターの発達が大きく世の中を変えた、等。多くの内容が追加されている。 
〜写真はベルリンの壁〜


さて、これから日本はどうなるのだろう。10年・20年のスパンで大きな変化はないと思うが50年先は? もちろん500年もすれば変わっている。このまま日本であり続けたいが、もしかしたら中国に侵略されて“日本省”か、アメリカの“日本州”か、EUのように東南アジアが1つになった“連合”か、バランスを保ったタイのように独立国家を維持するのか。。。。
歴史を勉強していると時々感じるが“今の日本は平和”である。学生から見れば“就職難”かもしれないが、戦争がない・身分の差がない。努力をすれば夢が実現する可能性がある。

この平和が続いて欲しいと願うこの頃である。

終わり