信貴山縁起絵巻

5回生 上村です。
先日、奈良国立博物館信貴山縁起絵巻(国宝)を見てきました。全三巻、一挙公開です。

巻之一「山崎長者巻」は、神通力を身に着けた信貴山の命連上人が、不思議な力で長者の家
から米俵を詰めた倉を鉢に乗せて信貴山まで飛ばします。倉を返してほしいと懇願する長者
に命連は「倉は返せないが米は返そう」と答えて、米俵を鉢に乗せて空に飛ばし、
長者の庭に返します。
描かれている人物が漫画的で、鳥獣戯画に通じるものがあります。

巻之二「延喜加持巻」は、命連が醍醐天皇の病を祈祷で治し、証拠に剣をまとう童子
天皇の元に遣わします。日本の絵巻物は、基本的に右から左へ物語が進行していくのですが、
剣をまとう童子が左から右へ駆けてくるところが面白かった。
ちなみに、西洋の絵巻物は左から右に物語が進行します。
(「風の谷のナウシカ」のタイトルロール、バイユーのタピストリー等)

巻之三「尼公巻」は、命連の姉の尼公が、信濃の国から弟の消息を尋ねて旅をする途中、
東大寺の大仏様の夢のお告げにより、無事に命連と再会するお話し。
一つの絵の中に、時間の異なる尼公の姿が描かれていてシュールな感じ。

同じ入場券で見れる、なら仏像館は中の仏像だけでなく建物
重要文化財 帝国奈良博物館本館)も建築学科の人には参考になると思います。