(長坂) プラス1 いつかは“槍” 2

そして5年後、ついに夢を叶えることができた。一人で裏銀座縦走コース(3泊4日)を辿り山頂に立った。写真がそれで、20代の若かりし頃の私である。 頂上で御来光を見た時、征服感・夢を叶えた満足感・難所を通過した安堵感。。。。言葉に言い尽くせないほどの感動だった。なお、銀座というのは有名な山が目白押しにあることから命名されており、当然“”もある。


 2度目は、それから20年後。アルピニストを自負するなら“大キレットを縦走”したいと思い、山を軽く・甘く見ての挑戦だった。この時は相棒を連れての登山で、早朝 穂高岳山荘を出て大キレットを通過し実に12時間の末、無事に槍に辿り着いた。心身共に疲労困憊で、槍ヶ岳山荘では高熱にうなされた(ぐっすり寝たら回復したが。。)。 〜写真は大キレットを通過後の南岳にて〜
  20年も経つと槍ヶ岳の様相も随分変わっていた。基本は登山人口が増えたことだが、頂上への登り・下りが別ルートになった。ハシゴや鎖が増えてかなり優しくなった。昔は山頂直前に一枚岩があり、抱きかかえながらの移動で結構怖かったが、これもなくなった。それでも頂上は50人程のスペースしかなく、御来光を見たい人の多くは、途中しかも北側ルートなので見えずに終わってしまう。これは今も変わらない。観光ではないので、頂上スペースを人の為に広くはできない。


  次に、槍のもう1つの魅力“カッコ良さ”である。横道に逸れるが、以前のOB日記で紹介した通り、アメリカ赴任中、ハワイを除く全49州旅行(一泊以上)して写真を4万枚ほど撮影した。この中で印象に残る景色が3か所あった。グランドキャニオン・ナイアガラの滝、そして自由の女神である。どの場所、どの時刻に見ても“撮りたい”と思えるのだ。実に不思議な気持ちだった。
(写真は凍り付く“ナイアガラの滝” 気温マイナス15度)


 さて、上記2回の登頂を含め、遠くから眺めたことを合わせれば数えきれないほど“槍”を目にしたのだが、いつ見ても写真が撮りたくなる。
即ち、アメリカの3か所に匹敵するのが日本では“槍”なのだ。


  山登りは常に危険と隣り合わせだが、実に魅力がある。だから年年人口が増える。リタイヤ組も70歳のオバちゃんも登る。それだけ惹きつける何かがあるのだろう。

来年は何処に登ろうかな???