(長坂) お上りさん&ミーハー  2

日本の食文化ここにあり(築地 続前編)


 この写真は、朝8時の築地市場(場内)の食事場所風景。手前がお目当ての寿司(鮨)大(すし だい)。隣は、1月16日マツコデラックスがアジフライの美味いと店と紹介した「とんかつ八千代」、さらに数件奥には、これまた数時間は待つという大和寿司(だいわ)の看板が見える。
 店構え・店舗の雰囲気から言って、築地で働く人向けに食べさせる店だが、並んでいる客は我々も含めて全て観光客である。いつも間にか築地は観光地になってしまった。


 さて、待つこと3時間半 やっと店の中に入ることができた。
「長い間 待たせてすみませんでした。」

この一言が嬉しかった。もう、食べる前から感激である。私は胃腸が弱く朝から重いものは苦手だが、起きて既に4時間経過し腹ペコなのは幸いであった。店のやり方は10名程度のカウンターに一度に入れ、全員を入替える。これが約50分間隔である。メニューは、7カンと巻物1本2600円の「にぎり寿司セット」と、10カンとお好きなにぎり1カンに巻物1本が付く4000円の「店長おまかせ寿司セット」と2種類のコースがある。当然の如く、お任せコースにした。


 カウンターに座ってみると、我々以外は全て外国人である。たしか中国が4人。オーストラリアとボリビア(南米)。。。 外国人が多いためか店の方針なのか定かでないが、全て味付きである。

最初に出てきたのがトロ(写真)で、これが実に美味かった。最後のお好み一貫は、これにした。この後、鯛・イカ・雲丹・・・と続いた。職人さんは英語で寿司ネタの説明をしている。加えて世界各国の言葉を駆使し、簡単な挨拶もする。これも外国人に好まれる理由の1つのようだ。

カウンターなので会話も弾む。聞けば
“この人気(混雑)は10年前から続いている。”
“東北地震で3か月程遠のいたが、すぐに戻った。”
“14時までに来てくれたお客さんには全員食べさせる。2・3月はラッシュで毎日夜8時まで握った。(夜8時の最終客は6時間待ち?)”
 

「毎日 遅くまで鮨を握り続けて大変でしょう?」と尋ねたら
「寒いなか何時間も並んで食べてくれるお客さんに比べたら。。。」

職人魂というかお客様目線というか。。。話していて感動した。


  女性従業員の英語が流暢で、待っているお客へのお茶サービスと人数チェックをテキパキとこなしている。聞けば、オレンジカウンティ(カリフォルニア州)に住んでいたらしく、私が“サンディエゴの寿司屋で食べた雲丹が美味かった”と話したら、USAの話題で盛り上がってしまった。
(オレンジカウンティはロスアンゼルスからサンディエゴまでの海岸地域。美しいビーチが続き丘陵地には別荘が建ち並ぶ。気候も温暖で、“こんな所に一度住んでみたい”と思いながらドライブしたのを思い出す。写真は2007年1月撮影)
 
 “お上りさん&ミーハー”旅行 最大の関心事である“寿司大”に私は充分に堪能できた。ただ、もう一度4時に起きて食べたいかと言えば。。。
“No more thank you”
かもしれない。

                                           続く


追加
築地は場内の飲食店に加え、場外にも店が沢山ある。テリー伊藤さんの兄(アニー伊藤?)の店“玉子焼き 丸武(写真)”や、最近ニュースになった“すしざんまい”の本店などが建ち並ぶ。
我々は鮨を食べたあと市場を見学し、“茂助だんご”を買ってから、混雑してない築地風コーヒーショップ?でゆっくりしたのだが、このコーヒーがまた美味かった。
 最近のガイドブックに築地は必ず掲載されているが、観光する価値十分にある。(ただし平日早朝ですが。。。)