会長の ”中欧を訪ねて”(海外旅行の勧め) 18

幻のポツダム 中編(ドイツ)


④ ホテルに着くと、集合場所は思いっきり遠いことが分かった。日本デスクの話では“歩いて500m”。しかし、バスと地下鉄を乗り継いて1時間はかかる。腹が立ったが、文句を言っても始まらない。ここは既にドイツである。
 “一時間か。。。行けるかな。”
  長年いい加減な旅行をしてきた私だが、何となく嫌な予感がした。

⑤ 翌朝6時30分 天気は晴れ。朝食を食べる時間はなく、荷物だけをフロントに預けてバス停に向かった。妻は、心配半分と旦那と行動を共にするしかない覚悟半分の様子。本当は、サンスーシ宮殿やポツダム宣言よりも、ベルリンで美味い食事の方に興味があっただろうが。。。

⑥ 歩いていると、ツアーガイドの中野さんが見送りに来てくれた。メンバーの話では、評判のガイドらしい(写真 左)。実際、彼女のお蔭で快適だった。
いつも思うことだが、海外ツアーのガイドは大変である。まず言葉(多くは英語)で現地人と意志疎通を図る。次にトラブルの際、即座に対処する。最後に、メンバーの面倒である。私のような”はみ出し屋”にも善処しないといけない。変な表現だが、
  “いい加減ではいけないが、いい加減でないと務まらない。”


⑦ さて、無事にバスを乗り継ぎ地下鉄に乗車したまでは良かったが、下車駅を間違えた。歩けど探せど、集合場所のシュタイゲンベルガーホテルは見当たらない。時間はどんどん過ぎていく。道を尋ねようにもドイツ語である。たまりかねて近くのホテルに駆け込んだ。ホテルは片言英語が通じる。
 

(私) 地図を見せて“ここは何処にありますか”
(フロント) 最初は位置関係が理解できなかったが、ホテルから3キロほどの場所を示し溜息をついた。
 (私) はっはっ。。。。(大笑い)


ここまで間違えると、心配の域を超えていた。3キロも離れていては、どれだけ歩いても看板は見当たらない筈である。どうやら似た地名の駅で下車したようだ。ドイツ語だ、仕方ない。

“さぁ、気持ちを切り替えて頑張ろう。”
〜写真が集合場所のホテル。内装も客層も立派である。さすがJTB?〜

続く


プラス1 海外旅行のハプニング  “こんなこともあるんだ”

 

アメリカ赴任時には年間100回以上飛行機に乗ったので、数々のハプニングに遭遇した。電車やバスと違い天候に左右されることも多いが、今回は、人的・機械的な原因で経験したハプニングを紹介する。


(ダブルブッキング)
飛行機の座席管理は全てコンピュータで管理されているが、同じ席を2人が予約できてしまうことがある。これをダブルブッキングと言う。
運悪く妻が渡米した時に、このハプニングに遭遇した。


時は2007年5月26日(土)。 28日(月)がメモリアルデーと呼ばれる祝日に当り会社も3連休となった。アメリカはこの日から9月第1月曜日のレーバーデーまでが本格的な夏である。今回は、渡米してきた妻とラスベガスを皮切りに、グランドサークルを巡る旅行を計画した。(私は単身赴任していた) 
〜写真はライトアップショー ホテルベラージオの噴水・・・これを見物する予定が。。。〜

 
14時のフライトだったが早く空港に行き、搭乗手続きをして予約席に座った。3連休しかもラスベガス行きのため満席状態。皆 浮き浮きしていた。
“これから楽しい時間を過ごそう!”

しかし、定刻になっても出発しない。天気が悪いわけでもなく、人を待っているわけでもなく。。。 やがて係りの人が我々夫婦に近づいてきた。

(係り) チケットを見せてください。
(私)  ・・・・(何のことが分からず、素直に見せた)
(係り) 現在 この2席がダブルブッキングされている。ひとまず降りてください。
(私)  ・・・・(何のことか分からず、言われるまま降りた。しかも夫婦揃って)
(係り) このチケットは不正なので乗車できない。
(私)  そんな筈はない。旅行会社を通して正規に予約している。
(係り) とにかく乗車はできない。残念だが、最終のフライトに代わってもらう。

 そして、ダブルブッキングした相手(たまたま白人の夫婦)が乗り込んで行った。申し訳なさそうに。。。そして無情にも飛行機は飛び立った。
〜写真はグランドサークルの1つ ブライスキャニオン 朝日を浴びて幻想的だったが。。。〜


 すぐに旅行会社(日系)に電話し、係りと直接話してもらったがラチはあかない。残念だが、3万円の金券をプレゼントされるにとどまった。

ひと段落して旅行会社の人から
“おそらく機械的なミスではなく、人的ミスか作為。残念だが日本人が犠牲になったかもしれないと。。。”


 結局、最終フライトは天候不順で3時間ほど遅れ、ラスベガスに着いたのは零時。楽しみにしていたライトアップショーも終わっていた。ここから宿泊先であるブライスキャニオン国立公園にレンタカーで走り到着は朝の5時。
 フロントで“チェックインお願いします”というと、苦笑いをしていた。早い人は、チェックアウトする人もいたのだがら。。。


こんなこともあるんだ。
"今からの旅を大切にしょう" と夫婦で語り合った貴重な体験だった。
〜写真はアーチーズ国立公園 岩がアーチ状になっている〜