コーヒーブレーク  息子たち(長男の話)

長坂です。連載ネタのコーヒーブレークです。


 3年前に連載した“今時の大学受験”の主人公であった長男も、早いもので4年生。京都に憧れて、京大工学部地球工学科(土木)に一浪して合格した。そして、8月に大学院の試験に合格し、来年もまた京都に住むことになった。たしか3月頃に相談があった。就職か進学か迷っているようだった。
“やりたいことがあれば、やった方が良い” “父さんがお前なら大学院に行く。まだ京都に住みたいんだろう?”


そう言ったが、果たして本人にどの程度届いたかは分からない。
60年近く生きてきて思うことは、
“夢は老いることはない。諦めきれないものは沢山ある”


さて、私も長男が京都に住んでくれれば、あと2年間は京都に行ける。これは正直とても嬉しい。

もう1つの変化は、大学院進学に伴い奨学金を利用すること。私の仕送りでは生活(サークル・遊びも含めて)が成り立たずバイトに多くの時間を割いていた。院生になったら勉強に時間を割きたいらしい。
“へー、そうなんだ。一端の大人になったなぁ”
できるものなら仕送りを増やしたいが、我々夫婦だって生活を切り詰めないといけない。申し訳ないが、借金を背負ってくれ。


 京都と愛知は車で2時間だが、なかなか帰省しない。特に心配はしてないが、子育てに時間と頭と感情を割いてきた親としては、ポッカリと穴があいた気分である。
私も若い頃は、
“何で親の顔を見に帰らにゃいかん。”
“帰たって、やることが無い。アパートにいれば勉強もバイトもできる。”

こう思っていたが、我父の心境が今になって理解できる。されど、私は言い続けたいと思う。
“たまには帰って来い!”


(追伸) 専攻科の諸君へ

今は本当に良い時代で、専攻科を卒業すれば大学卒業(学位)が認定される。これを利用して大学院へ進学することを勧めたい。東大か京大、または旧帝大。昔と違い門戸も広がっている。長男に言わせれば、他大学からも楽勝らしい。
そして下記を知ってほしい。

1) 世の中には凄い奴が沢山いる。自分の知らない世界が沢山ある。
2) 世の中を動かしているのは、理系ではなく文系の発想。


小さな自分に気づき、勝負する領域を早く決めて欲しい。およそサラリーマンで出世する奴は、“こいつは偉くなる”と入社時点で思われた中の一人である。逆は無い。
可能性は無限大かも知れないが、多くは不透明だったものが、時間が経つにつれて見えてくるだけである。
 
若い人には、少なくとも私より時間がある。“頑張った時間を沢山つくる”ことが大切である。