会長の ”東北震災地を訪ねて(後編)”   原発を行く 5

第2原発


写真は、第2原発から1キロ付近にある常磐線の踏切である。この路線は東京(日暮里)〜宮城(岩沼)を結ぶ東日本の大動脈であったが、地震を境に運休を余儀なくされた。この踏切も、地震直後から使われなくなり、また避難指示地域に指定されたため人は住んでいない。その結果、雑草が生い茂り線路が見えない。

“2年半の間、時が止まってしまった。”

 


 いよいよ避難指示地域に突入した。たまにすれ違う車は、全て復旧・復興に携わる車両である。さらに行くと、“第2原子力発電所”右折の標識が見えてきた。
“へぇー、原発まで行けるんだ。”
侵入禁止の標識かバリケードのような厳重警戒を予想していたが、ちょっと拍子抜けした。

 早速 右折して直進すると、念願の第2原発が見えてきた。写真は望遠で遠方から撮影した貴重な1枚だが、外観は普段と変わらない様子である。
“来たぜ! 原発

さらに近づくと、“これより関係者以外侵入禁止”の看板があり、正門前で警備員が立っていた。引き返すと怪しまれるので目の前まで行った。


(警備員) 何をしに来られたのですか。
(私)   観光です。
(警備員) これより先は侵入禁止です。すぐお帰りください。
(私)   分かりました。
私の回答に呆れた様子だった。ここまで来るのは、私ぐらいかもしれない。



すぐさまUターンして北上すると道の駅(ならは)が警察署の臨時庁舎となっていた。駐車場が、パトカーや警察官の通勤車?で埋め尽くされていた。警察も泥棒などの犯罪防止、こっそり帰宅する住民への監視、そして私のような不届き者への相手。。。と、やることが沢山ある。仕事と言えばそれまでだが、本当に大変だと思う。
“皆 頑張ってるんだ”


そう思っていると、目の前をパトカーが走り抜けた。もし10秒ほど私が早かったら、出会い頭でご対面し職務質問を受けたかもしれない。悪いことはしてないつもりだが、厄介なことになっていた。
“あぁ、助かった”

反省もせず懲りもせず、ひたすら北上した。


続く