会長の ”そうだ京都、行こう。” Vol. 5
八ツ橋 食べ比べ
元旦茶話会で、何処の八ツ橋が一番美味いか、皆の投票で決めたいと思います。(見た目・匂い(風味)・味(触感)の総合評価?) 乞うご期待。
京都の土産と言えば“八ツ橋”である。以前 脱“八ツ橋”を目指して“松風”を紹介したが、これを逆手にとって“八つ橋”食べ比べを思いついた。善は急げと会社連休初日の27日(金)、京都に行ってきました。
行くにあたり、いろいろ調べてみた。
1.“八ツ橋”の由来。
・江戸時代の作曲家 八橋検校(やつはしけんぎょう)1614~1684が、食材の残った米・小麦・・に蜜とシナモンを混合させて堅焼き煎餅を作った。
・その後、色々な人が工夫を凝らし“八ツ橋”と命名された訳だが、命名には諸説がある。
1)八橋検校の名前。
2)八ツ橋梅林茶店の従業員(西尾為治)が、工夫を凝らして発展させた。
3)琴の形に似た干菓子だった。(琴が漢字の“八”に橋に似ている)
4)三河国八ツ橋(現在の愛知県の無量寿寺の「八橋旧跡」)の故事。
いわゆる、元祖・本舗・総本家・・の理論だが、過去からの言い伝えなので真実を知るのは難しい。
2. なぜ、八ツ橋が京都名物になったか?
1) 値段が安い(他の京菓子に比べ製造方法が合理化され、人件費が安い)
2) ニッキの香料がオシャレで美味い。
3) 由来と歴史が興味深い。⇒売りやすい
つまり、安くて美味いから、競合他社がシノギを削って開発・販売競争が繰り広げられてきた(現在進行形)。
3. 八ツ橋の種類
1) 堅焼きタイプ・・300年以上の歴史がある。
2) 生タイプ・・これは昭和30年ころから。(アンコ入り・皮だけの2タイプ)
この生タイプを井筒屋が作ったというのは、業界では公知のようだ。
今は生タイプが主流であり、アンコの代わりに栗・芋・チョコレートなどを入れ新商品が沢山出回っている。
4. 販売(製造)している店
市販されているだけでも15社ほどあり、この他に15社ほどが細々と作っているらしいが、この細々こそ京都の伝統である。細々作って収める先が茶道の千家だったり、料亭だったりする。この細々の八ツ橋は、残念ながら私のような外者には手に入らない。
発祥地は聖護院門跡(しょうごいん もんぜき)付近と言われており、この付近に細々つくる店があり、ニッキの香りが漂うらしい。
なお、市販している中で下記4店が有名である.
(すべての店で試食可能:写真は試食品)。
メーカー | 創業 | 本店場所 | 主な商品名 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
聖護院 | 1689年 | 聖護院門跡 | 聖(ひじり) | ||||
西尾 | 1689年 | 聖護院の向い | |||||
井筒屋 | 1805年 | 祇園四条駅 | 夕子 | ||||
おたべ | 1976年 | 東寺 |
5. 行った感想
おたべ
10条通りに面し観光バスのルートになっているようで、お客で混雑していた。“京バウム”を始め八ツ橋以外の菓子も多いため、試食品を沢山食べることができ、甘党の私としては御機嫌だった。車で行くなら駐車場も完備しており便利。別室に無料のお茶・コーヒーサービスがある。(写真は“おたべ”本店)
井筒屋
場所が京都一の繁華街 祇園にあるが、ちょっと奥に位置しているので静かな雰囲気が良い。2階の食事場所では、“生八つ橋を七輪で焼いて食べる”メニューがあり、これが大変美味かった。
(具?として、あんこ・芋・栗の3種類を提供してくれる:写真)
西尾
発祥の地 聖護院門跡(京大病院の斜向かい)にあり、歴史を感じさせる店構え。言い伝えでは、“聖護院”から分家しているが八ツ橋発展の貢献者(西尾為治)としての自負があるようで、バラエティに富んだ商品が並んでいた。店員がお茶を運んでくれる、“おもてなし”が好感を持てた。
聖護院
老舗の自負なのか凛とした店構えであった。八ツ橋以外の商品は無いが、それが伝統を守り続ける“京都の責任感”を感じさせた。八ツ橋を食べ歩きたいなら、上記 “西尾”とセットで行くのが楽しい。ここで沢山の試食をしてお茶を頂ければ、お腹は一杯になること間違いない。
上記4件を食べ歩くことができ、甘党(あんこ好き)の私としては至福の一日であった。
6.一番美味い“八ツ橋”は何処?
これが最大の関心事だったが、試食品を食べすぎてしまい決めきれなかった。もちろん、4店の堅焼き・生タイプを購入したので、元旦 茶話会で皆に食べてもらい、投票で決めたいと思う。
そうだ 京都行こう。
本年はこれで終了です。
元旦走り初めで会いましょう。
良いお年を!