“いまどき”の大学受験(最終章)                                                      賽(サイ)は投げられた   その3

 明日は、いよいよ国公立大学2次試験の前期日程である。昨年が懐かしい。
2/25・26の中日新聞には、名大の問題が掲載されることだろう。
 第一志望校合格に向けて、受験生は今頃何を考えているだろう。人生において、緊張する時は少ない。悔いの残らないように頑張って欲しいと思う。


その3 南山大学

 家から通える私立大学として選んだのが南山大学である。しかも、理系志望の息子は経済学部を選択した。下表が全学部の定員である。入学定員が2,225名ということは、すなわち一学年の人数であるから4学年と大学院を合わせれば10,000人を超すマンモス大学である。
 募集人員の内訳は同志社大学で説明したので省くが、特徴の1つに、“センター”50と100の2つがある。50とはセンター試験の得点を50%、大学独自の試験得点を50%の合計で合否を判定する。100はセンター試験の得点を100%、言い換えれば書類選考のみで、さらに前期の申し込み(1/7〜1/21)と後期(2/21〜2/25)に分かれている。優秀な学生を一人でも入学させたいのだろうが、実に紛らわしい。また、「南山は文系、そして英語で有名」が私のイメージだったが、いつの間にか情報理工学部も出来ており、文字通り総合大学となっている。
入学選抜方法と募集人員

学部 入学定員 一般 センター50 センター100(前期) センター100(後期) AO入学 推薦入学 特別(帰国生徒)
人文 340 184 45 13 9 251 5 84 0
外国語 395 200 55 16 7 278 68 105 12
経済 265 166 16 10 5 197 0 68 0
経営 245 162 18 10 5 195 0 50 0
275 168 32 7 3 210 0 65 0
総合政策 330 165 25 15 5 210 0 90 30
情報理工 225 124 13 10 2 149 0 76 0
短大(英語) 150 50 5 2 1 58 0 92 0
2,225 1,219 209 83 37 1,548 5 630 42

 さて、息子は南山大学を受けるに当たって、センターに加え、一般試験も受けるか否か最後まで悩んでいたようだ。だが、幸いにしてセンター試験の自己採点結果が思いのほか良かったので中止した。


表が“センター”の試験科目と配点である。英語・数学は順当であるが、残り1科目を国語・社会・理科から選択となっている。はっきり言って
「何でも有り!」
の世界である。このような試験で集めた学生は、ユニークな集団になると思う。

センター100(前期) 試験科目・配点

科目 息子の選択肢 自己採点 配点 得点率
英語 - 133 150 89%
数学 - 94 100 94%
国・理科・社会より1科目 物理 92 100 92%
- 319 350 91%

息子の狙いは、経済学部”センター“100(前期)の10人枠で、自己採点では得点率91%と高いが、。。「すべり止め」がこけては、意味が無い。勿論、心配しても金と時間が余分にかかるだけでキリがない。
 悩ましい判断だった。



2月20日(日)

 3通目の合格通知が届いた。ここまで来ると、“合格”に慣れてしまう。こんなことなら
①35,000円の受験料がモッタイナイ!
②できるものなら、この合格を弟(高1)に分けてやりたい。
と、親は考えてしまう。



この日、息子が家にいたので聞いてみた。
 (私)  お前、調子がいいな。
 (息子) 本当だね。ここまでは。。
 (私)  ところで、何で南山の経済にしたんだ。
 (息子) もし全部落ちて地元の私立だったら、“仮面”をしようと思った。
 (私)  ふーーん
 (息子) 仮面をするなら、理系よりヒマな文系の方が受験勉強ができる。
 (私)  だけど、父さんは大学の授業料を払うので、予備校の費用までは無理だぞ。
 (息子) まぁーね。何とか知り合いのツテを借りてでも再受験する。
 (私)  また、京大かぁ。
 (息子) それは、たぶん無い!。名大とか名工とか。。。
 (私)  そうだったのか。
 (息子) そりゃ、そうだよ。一浪して南山じゃ、やってられん。
 (私)  そうかもしれんが。。。とりあえず同志社受かって良かったな。
 (息子) ほんと、良かった。これでとりあえず大学生だ。(写真は同志社 校章)
 (私)  あとは、最後の京大だ。頑張れよ。
 (息子) うん。
 息子の心境が理解できた。京大めざしたが全滅で、南山ではプライドが許さないのだろう。


“いまどき”の受験用語:『仮面学生』
 表が仮面学生の推定数(万人 2010年)である。

①大学・短大志願者 74.5
②上記の入学者 66.9
③浪人(①-②) 7.6
④現役でない試験志願者 10.8
仮面学生?(④-③) 3.2(4%)

 上表の3.2万人は、社会人などの職を持った人も含まれるが、それは僅かだという。ほとんどは現役大学生の再受験であり、これを“仮面”と呼ぶ。駿台予備校の説明会資料には、仮面学生に対し、次のように忠告している。


直面する「困難」から「楽な方向」に逃げて、結局は「大きな回り道」をしていることのムダ!!


 ただ、親にも問題はある。
「せっかく、そこそこの大学受かったんだから良いじゃないか。」
「もう一度チャレンジしたって、受かる保証はどこにも無いぞ!」
「親にこれ以上、心配掛けんでくれ。」
「何で、もっと頑張らんかったんだ。」


 私なら、このように言うだろう。それでも子供がやりたいというのなら、それは子供の責任でやれば良い。バイトしながら働いて、受験代も生活費も稼いでやれば良い。
 35年前の私が、親の反対を押し切って就職せずに浪人し、千葉大学編入学したように。。

続く


プラス1  
ミカエル・カルマノ大学長の言葉(抜粋)
 このたびは、2011年年度台残大学入学試験に合格されましたことを心よりお祝い申し上げます。この貴重な機会に、南山大学の教育理念や、現在・学内で展開されている大学改革などを説明します。本学で学ぶ意義について理解を得てください。