“いまどき”の大学受験(最終章)                               賽(サイ)は投げられた  その2

その2 同志社大学センター試験利用)

 同社社大学の願書受付期間は1/4〜1/14となっている。センター試験が1/15・16だから、ここを意識しての日程だ。すなわち、
「まずは、受験料を払ってください。」


 因みに、一般試験が35,000円に対し、センター試験利用(“センター”)は15,000円である。国公立大を狙う人は全てセンター試験を受けるのだから、試験準備不要な“センター”は金だけで済む。おまけに15,000円と安い。関西系の国公立大学を狙う人は、保険として
「15,000円で済むから、とりあえず願書出しとけ!」

となる。こういう所で私大は金を稼ぐわけだ。
代ゼミ2009年データによると、“センター”の定員は理工学部全体で40名に対し、志願者は2,257と実に倍率57倍である。実に倍率57倍である。

定員 志願者 志願倍率
40 2,257 57

「合格は宝くじに当たる如く!」

 気の遠くなる話しだが、受験生の多くは保険として受けるため辞退もまた多い。大学もこれを見越し、この年は実に847名を合格させている。このため実質倍率は2.5倍である。


さて、息子は下表の「化学システム創成」の5人枠を狙った。

学科系 2/4試験 2/10試験 センター試験 合計(人)
インテリジェント情報 22 23 5 50
情報システムデザイン 20 20 5 45
電気 25 25 5 55
電子 28 27 5 60
機械システム 30 28 2 60
エネルギー機械 24 23 2 49
機能分子・生命化学 24 24 5 53
化学システム創成 24 24 5 53
環境システム 16 16 2 34
数理システム 10 13 2 25
合計(人) 223 223 38 484

“センター”と言えども、受験科目は一般入試と同じ英・数・理で、国語・社会は除外されている。
これに対し、息子のセンター試験自己採点は下表の通りで、得点率にして89%。この数字なら東大も合格するレベルだ。
息子のセンター試験の得点

配点 結果 得点率
英語 200 177
数学Ⅰ 100 94
数学Ⅱ 100 91
物理 100 92
化学 100 82
600 536 89%

「凄いなぁ。。わが息子は!」

と思いきや、文系科目が除外されるのだから理系学生としては、“当たり前”と諭されてしまった。

ところで、“いまどき”の大学受験には、「デジタル受験表」がある。パソコン又は携帯電話からアクセスするらしく、やり方が入学試験要綱に詳しく書いてあったが、読む気がしなかった。このデジタル受験表には、センター試験に関する「試験場コード」及び「受験番号」が必須なので合理的な方法かもしれないが、試験を受けたという実感もないままコンピュータが判断した数値で合否が決定される。
「試験もここまで来たか。すごいなぁ。。。」


2月19日(土)
 格通知書が届いた。2つ目の合格だから感動はなく、むしろ “運が上向いてきたな”という感触と、入学金の心配であった。即ち、入学試験要領に記載されている下記一文への対応だ。

「いったん納入された登録料または入学金は、いかなる事情があっても返還いたしません。また、期間内に入学手続きが完了しなかった場合は、入学資格を失いますので充分に注意してください。」

表が、息子の受験する大学の手続きタイミングである。優先順位は、①京大 ②早慶 ③同志社 ④南山であるが、早慶が両方合格したら、どうするかまでは決めてなかった。
「両方合格するなんて、有り得ない。」

変な話しだが、息子も私も、この点は一致していた。

大学名 合格発表 手続き期限 入学金
同志社 2/15(火) 2/15(火)〜2/25(金) 280,000
慶応 2/24(木) 2/24(木)〜3/3(木) 200,000
早稲田 2/26(土) 2/28(月)〜3/4(金) 200,000
南山 2/20(日) 2/21(月)〜2/25(金) 331,500
京都大 3/10(木) 3/14(月)9時〜17時 282000

できれば、私大一校の入学金で抑えたいが、
  「南山・又は同志社が合格。慶応は不合格。そして早稲田合格。」

この場合は2校分の入学金が必要である。さらに京大が合格すると、入学金だけで実に80万円の出費である。

慶応合格発表日(2/24)の翌日が同志社・南山の手続き締め切り日である。猶予が1日間しかないので、親としてもプレッシャーが掛かる。もし、この状況が起きたら、会社を休んで対応する予定であった。
2月24日(木)は運命(金運?)の日!!

続く


プラス1 大谷総長のことば(合格に寄せて 抜粋)
 高校を卒業するに当たり、いくつかの選択肢の中から同志社大学を選ばれたわけですが、合格が決定したところで、改めて何のために同志社大学に入学するのか、これからの4年間、どういう学生生活を送るかにつきまして、熟慮していただきたいと思います。
 その際に、できれば人生とは何か、人生行路をいかに歩むべきか、そして大学生活と自分との関わりについても考えてください。


プラス2 理工学部の全学科と合格定員数
表の通り、全部で10学科ある。理学部と工学部が分かれていないため、学部長は1人となり、学科間の横断が簡単にできる。他科への受講、先生の貸し借り?も楽だと思う。

学科系 定員
インテリジェント情報 50
情報システムデザイン 45
電気 55
電子 60
機械システム 60
エネルギー機械 49
機能分子・生命化学 53
化学システム創成 53
環境システム 34
数理システム 25
合計 484

中身について豊田高専と比べると、機械・電気・情報は同じ。電気・電子と分かれているのは、“電気”が電力を扱う強電、“電子”は信号を扱う弱電であろう。
私が通った千葉大学にも電気・電子があったが、講義は自由に選択できた。だから電子に入学しても“発電所”を卒研テーマにする学生も当たり前だった。面白かったのは、基礎学問(電磁気学、回路論)は2人の先生が別の時間に担当した。学生は、“ラクして単位を取る研究”には長けているので、受講人数には当然差が出た。(写真は千葉大学
次に、“化学”2学科及び数理システムは、理学(純粋学問)と工学(実用・経済性)を融合させており、八田学長のメッセージにもあるように、柔軟な学問・質の高いサービスの提供の姿なのだろう。残りの“環境システム学科”が良く分からない。土木か?と思ってパンフを読んでも、ダム・橋というキーワードはない。基礎学問が、数学・物理・生物・化学・地球科学・プログラミングとなっている。因みに、直近の卒研テーマが、
「夏季の北極圏の海水面積の変動と大気場との関係」
気象庁非静力学モデルを用いた冬期の京都盆地における局地循環の解析」
であることを考えると、『土木』かな?