会長の”明日に架ける橋” その11

この橋は、New River Gorge 川に架かる長さ518メートルのアーチ橋であり、世界最長らしい。しかも橋の高さも276mと半端ではない。今までに、ジェットコースター橋や弱い橋など数々の緊張経験を持つ私としては、気合を入れて望んだわけであるが、行ってみると橋が全く見えずに、真直ぐな道路が続いているだけの平坦な道であった。

場所は、ウェストヴァージニア州の州都チャールストンから南東50キロにある。1977年に完成した時は、45分の山道が45秒に短縮したそうだ。橋は人々の生活を大きく変えるというのが頷ける。上記写真は観光ポイントから撮影したものであるが、実に弱そうで心配にな
った。そして同じ撮影場所から下を眺めると、もう1つ小さな橋が見えたことである。高さ276mを実感して急に怖くなった。帰りも同じ橋を渡ったのだが、地震がきたら破壊して川に転落だな。。。などと気が気でならなかった。

見上げれば橋  見下ろせば橋

 なお、この橋は当然州の観光名所であり、2005年製造の25セントコインのモデルになっている。アメリカは1999〜2008年に州単位で25セントコインを製造している。決して記念硬貨ではなく、あくまで一般使用が目的だ。もちろん当然全部集めたい人のために、コレクター用の冊子も売っている。日本人赴任者も楽しみに集めていたのを思い出す。(流通量が多いので、それほど難しくはない)

さてウェストヴァージニアといえば、私が若い頃大流行した名曲「カントリーロード」の舞台である。1971年 ジョンデンバーが歌って日本でも人気だった。
Almost heaven, West Virginia
Blue Ridge Mountains, Shenandoah River
Life is old there, older than the trees
Younger than the mountains, blowing like a breeze
Country roads, take me home
To the place I belong
West Virginia, Mountain Mama
Take me home, country roads

実は、この詩に出てくるBlue Ridge Mountains(ブルーリッジ山脈)、Shenandoah River(シェナンドー川)に行くのが、本来の目的だった。

ブルーリッジ山脈には、富士山や、北アルプス連邦のような大きな山はなくて、いわゆる
尾根が数百キロと長く続いてた。遠方から見たときに青く霞がかかって見えることから、名づけられたらしい。尾根伝いにパークウェイ(観光道路)がシェナンドー国立公園を結んでいる。私がいったのは6月という一番快適な時期だったため、登山ではなくハイキング目的のパーティを数多く見つけた。残念なことに、お目当てのシェナンドー川は国立公園となってはいるが、日本でも見かける普通の川であった。(矢作川と何ら変らない。。もちろん、緑に囲まれた自然の中にあったが)。そして驚いたことに、この2つはウェストヴァージニア州にはなく、隣のヴァージニア州にあった。実際、ジョンデンバーは一度もこ
の地に来たことが無いらしい。きっと空想の世界の中でこの詩を作ったのだろう。
 名曲「カントリーロード」の強烈な憧れが多少幻滅に変ってしまったが、田舎で大自然の山々、静かな川を眺めていると、心が癒されるのは事実であった。