会長の ”そうだ京都、行こう。”  Vol. 3

川端道喜(かわばた どうき)

 京都御所に通称“道喜門”という出入口がある。写真の右側黒い部分がそれで、左の屋根付きの門“建礼門”に比べひっそりとしている。
時は室町(西暦1500年代)。足利幕府の末世は財政も逼迫しており、天皇家の食事も事欠く有様であった。これを察した道喜親子は、毎朝 餅などを献上したと言う。この時、宮中(御所)に入る門がこの“道喜門”である。この習慣は東京遷都になるまでの350年間続いた。気の遠くなる話だ。



さて、川端道喜は店名である。今は16代目が切盛りしている。名物は何と言っても粽(ちまき)。水仙粽(白くオーソドックス)と羊羹粽(オリジナル)の2種類ある。
これほど歴史のある粽、さらには川端道喜とはどんな店だろうと興味深々で訪ねたが、店構えはなく、暖簾を括ればそこは製造場所という質素なものだった。
作り置きすると味が落ちるため、品物は全て予約販売。言われてみれば当然である。なお、今年は鹿の出現で材料の笹が食われてしまい、量確保が大変らしい。

仕方がないので、京都下宿中の長男に受け取りを頼み,12月14日(土)やっと水仙粽を食べることができた。


味見した感想としては、
“羊羹でもなく、ウイロでも寒天でもない。美味いと言えば美味い。”

しかし、私のような平民が何も知らずに食べたら
 “何じゃこりゃ。。。不思議な味・変な味。”


となる。前回紹介した“松風”同様、今までに食べたことが無い味である。

この粽を、室町・江戸の歴代天皇が口にしたかと思うと感無量である。
葛粉(くず)100%に加え、笹でしっかりと包んであり、仕事の丁寧さが分かる。伝統を受け継いでいる逸品である。


(プラス1) 花びら餅
実は、川端道喜が発祥元である。お茶の世界 初釜では定番となっているが、当初は道喜が宮中に献上した餅が好評を呼び、いつしか“花びら餅”と命名された。
 発祥の店、昔は宮中ご用達、今は不審庵(表千家)ご用達と聞くと、食べてみたくなった。しかし年末3日間の限定予約販売で、既に完売だった。
“そこを何とか お願いします。”

と無理を承知でお願いしたら、2個だけ分けてくれることになった。
1枚 1500円と市価の5倍程だが、“決して高くない”と評判なので、今から楽しみにしている。


そうだ京都、行こう。