Coffee Brake(長坂)  北アルプスの魅力

第2回:前略 後田先生(3/3)


翌朝、先生が叫びました。
“おい皆 起きてみろ。素晴らしい景色だ。こんなのは初めてだ。”
そう言って、ひたすらカメラのシャッターを切ってましたね。私も、初めて見る景色に感動しました。この時の感動が「北アルプス魅力の原点」だと思っています。


  (私) 「先生、あの尖った山は何ですか。」
 (先生) 「あれは槍ヶ岳
  (私) 「じゃ、左の高い山は?」
 (先生) 「穂高連峰だ。前穂・奥穂・・・」
  (私) 「正面にある凹は」
 (先生) 「あれが大キレットと言って危ない場所だ。(写真 中央右)
  (私) 「へぇー、大キレットねぇ。。」
    ・・・・・・・
 私は、この時に思ったことが沢山あります。
“いつかは槍に登りたい”
“大キレットはどれほど危ないのだろうか”
“前穂(前穂高岳)もカッコいい山だな。”
   ・・・・

結局360度の大パノラマは30分ほどしかなく、雲がみるみる上がってきて出発の7時には何も見えない状態でした。“山の天気は急変する”ということを初めて知りました。
さて、最終目的地 常念岳蝶ヶ岳より200mも高いのに、出発して30分は下り。もったいない!!!

やがて稜線歩きが下りから登りになるところで休憩しました。
この時のメンバーは先生と私を含めた同期4人ですが、次のような会話がありました。


   (先生)  「ここから頂上までは3時間半だな。」
    (私)  「あそこまでなら、休憩なしで登りますか。」
   (M君)  「あと7回休憩できるか。(30分に1回の小休止で歩いていた)」
    (私)  「Mよ。お前なあ。。。。」
   (先生)  「登山者にも、ピンからキリまでいるな。」
   (T君)  「こういう奴(私)をピンと言うんだ。」
   (先生)  「うん」

この時の私は、陸上競技で鍛えたお陰で体力・筋力・気力とも充実していました。頂上まで走って登れといえば出来たかもしれません。日頃運動してない人との違いは、こういうところに出るのでしょうか。今思えばM君は本当に苦しかったのでしょう。勿論、先生は30分に一回の休憩ペースで皆を引率してくれました。結局 常念岳の山頂は曇天で何も見えない状態でしたが、バンザイだけしてすぐに下山しました。(写真は常念岳頂上  晴れていれば。。)

山とは不思議なもので、あれだけ辛い思いをしても下山を始めると、
「次はどの山に登ろうか...」

と考えてしまう。そして振り返ると、今登った頂上がはるか遠くに見える。


 あれから35年。色々な山を登りましたが、やはり北アルプスに魅力を感じます。今年の夏は念願だったジャンダルムに登頂しました。まだ登ってない山はありますが、ひとまず北アルプスを卒業し?来年は南アルプスに行きたいと思っています。

 先生は今でも山登りを続けていますか? 最近は60歳代が最も元気のようです。登山者を見ていてもそう思います。

 あっ、そうそう 今年の“卒業生による講演会”で喋ることになりそうです。山から教わったことが沢山あるので、ネタの1つにしようかと思っています。

これからもお元気でお過ごし下さい。

草々