会長の”質問魔”と呼ばれて (その1 電気磁気学)

1月9日作成 大学勉強回想録の続きとして「質問魔」シリーズを連載します。初回は電気工学科の基礎科目である電気磁気学です。

電気磁気学は高専の必須科目であったが、さっぱり分からなかった。その後浪人した訳だが、編入なので予備校があるわけでもない。そこで、頼んで高専の3・4年生の授業を聞くことにした。幸運にも当時の近藤先生が1年間海外研修するため、前期に一年分を講義されることになった。試験が9月なのでピッタリ。有難いことだった。今なら管理上無理かもしれない。ここで集中的に学んだお陰で人並みに理解できた。千葉大学でも必修単位だったので、これを機会に「本質」を理解しようと思った。授業はS先生という岐阜県出身の方で、名古屋弁が通じる若い先生だった。まわりの学生が「メイダイを卒業して千葉大の先生になれるのかな?」と噂していた。私はメイダイと言えば名大(名古屋大学)だと思っていたので不思議はなかったが、関東(世の中)ではメイダイ=明治大学らしい。この時はショックだった。

(30年前 高専・大学と使った教科書。思い出一杯で捨てられず今でも保管中)


先生は、時には私の質問に答えられないこともあった。また「教科書が悪い!」と自分の不出来?を棚に上げたときもあった。今から思えば一緒に考えたというイメージ。それだけ電気磁気学は奥が深いというか、完全読破は難しいのかもしれない(著者の書き方も影響する)。学問としてはマックウェルの電磁方程式にたどり着くまでがメインである。
 rotH=i+dD/dt    rotE=−dB/dt (これが到達点です)
ただ、そのあとに電磁界について少し書いてある。ここまでくると、さっぱりわからない人がほとんどである。幸い微分積分・ベクトル解析などの数学的な知識はあったし、本質(物理現象)が理解できていたので、楽しくてしかたなかった。(数式をこねくり回す世界)
なお、先生はその後千葉大学大学院の科長(学部でいえば工学部長)にもなった方。卒業してからも世話になった。先生と生徒の間には損得勘定がないので、私のように必死?になって理解する生徒はかわいいらしい。今でも年賀はがきを含めて連絡を取りあっている。

(お願い)
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